イギリスのトリオ、ロンドン・グラマーが9月13日にMinistry of Soundからニュー・アルバム『The Greatest Love』をリリースする。そのセカンド・シングル "Kind of Man "を公開した。試聴は以下から。


フロントウーマンのハンナ・リードは、プレスリリースでこの曲について次のように語っています。


「『Kind of Man』は、誰かがハリウッドの華やかさとわずかな腐敗に堕ちていくのを見ることについて歌っている。この曲は明らかに女性差別について歌っているけれど、皮肉交じりに性差別について歌っている。それがこの曲の好きなところなんだ。メランコリックな曲にはしたくなかったんだ。だから、この曲はとても明るい曲なんだ。この曲は、自分を尊敬してくれないかもしれない男性や、自分と恋に落ちるような男性を期待できるような、そんな二律背反的な関係のパターンを歌っているところが好きなんだ」


『The Greatest Love』はバンドの4枚目のアルバム。2021年の『Californian Soil』に続く作品である。以前、彼らはファースト・シングル「House」をシェアしている。



「Kind of Man」

 

 

ポピュラーミュージック界の最高のスター、ビリー・アイリッシュが3枚目のスタジオ・アルバム『HIT ME HARD AND SOFT』をリリースした。来年度のグラミー賞ノミネートが有力視される作品である。また、このアルバムには「Chihiro」という謎めいたトラックが収録されている。アルバムの発売と同時に収録曲「Lunch」のミュージックビデオ(日本語字幕付き)が公開された。


2021年のアルバム『Happier Than Ever』でポピュラーシンガーとして世界的な成功を収めたアイリッシュ。また、このアルバムで、グラミー賞の記録をいくつも塗り替えてみせた。三作目となるフルアルバム『HIT ME HARD AND SOFT』は、Darkroom/Interscope/Polydor Recordsより今週末(5月17日)にリリースされた。2024年のポップスの最大の話題作で、アイリッシュが彼女の弟であるフィニアスと一緒に共作・プロデュースしている、


ビリーは、2024年初めにインスタグラムでこのニュースを発表し、プレビュー動画を公開し、先行シングルをリリースせず発売日を迎えることをソーシャルメディアで公表していた。先行シングルをリリースしない理由は、ファンにアルバムの衝撃を発売日に味わってもらいたかったからという理由。特に、ビリーは兄のフィニアスの貢献への謝意を示しており、なおかつ音楽的な貢献を称えていた。つまり、このアルバムは兄妹の強固なフレンドシップが表れている。

 

サードアルバムのプレスリリースと紹介文の内容は以下の通りです。「『HIT ME HARD AND SOFT』は、彼女のこれまでで最も大胆な作品であり、多様でありながらまとまりのある曲のコレクションである。このアルバムは、まさしくタイトルが示す通り、ジャンルを曲げ、流行を覆しながら、リリック的にもサウンド的にもハードに、そしてソフトにあなたを打ちのめす」

 

『HIT ME HARD AND SOFT』は、ポピュラー・ミュージックの可能性を示す作品である。古典的なポピュラー・ソングのスタイルもあるが、エクスペリメンタルポップの領域を新たに切り開いたトラックも収録されている。アイリッシュはこの三作目で広大で広がりのあるオーディオ・ランドスケープを旅しながら、リスナーをあらゆる感情に浸らせる。これは、グラミー賞やアカデミー賞をたびたび受賞しているビリー・アイリッシュが最も得意とすることであり、彼女が2020年代で最もエキサイティングなソングライターであることを証立てようとしている。

 


 

 

 「Lunch」

 

 



 

 


Omar Apollo(オマー・アポロ)が2ndアルバム『God Said No』の詳細とニューシングル「Dispose of Me」を発表しました。2022年の『Ivory』に続くアルバムは、ワーナーミュージックから6月28日にリリースされる。

 

リードシングル「Dispose of Me」のライブ・パフォーマンス・ビデオ、さらにはアルバムのジャケットとトラックリストは下記よりチェックしてみて下さい。


米国の人気シンガー、オマー・アポロはロンドンのアビーロード・スタジオで、プロデューサーのテオ・ハルム、カーター・ラング、ブレイク・スラットキンとともに新作の制作に取り組んだ。その後、2023年末にかけてロサンゼルス、ニューヨーク、マイアミのスタジオで編された。

 

Omar Apollo(オマー・アポロ)は今年のフジロックフェスティバルに出演する。

 

 

「Dispose of Me」




Omar Apollo 『God Said No』

 

Label: Warner

Release: 2024/06/28


Tracklist:


1. Be Careful With Me

2. Spite

3. Less of You

4. Done With You

5. Plane Trees [feat. Mustafa]

6. Drifting

7. Empty

8. Life’s Unfair

9. Against Me

10. While U Can

11. Dispose of Me

12. How

13. Pedro

14. Glow

 

 

Omar Apollo Biography:

 

アメリカ出身のポップシンガー、オマー・アポロ。2018年にEP『Stereo』でデビューを果たしたアメリカ・インディアナ州出身のシンガーソングライター/プロデューサーのオマー・アポロ。
 

2019年にEP『Friends』をリリースし、ワーナー・レコーズと契約を果たした23歳のアポロは、今年の2月に初の単独来日公演も果たし、ネクスト・ポップ・スターとして注目を集めている。
 

の最新EP『Apolonio / アポロニオ』では、Kali UchisやRuelともコラボレーションしている。以前リリースされた「Kamikaze」や「Dos Uno Nueve」も収録されている。
ここ数年で最も話題になっている新人アーティストのひとりであるオマー・アポロに注目したい。

 

 


デビューアルバム『I Hear You』のリリースに先駆け、ペギーは新曲「Lobster Telephone」がを公開した。ディープハウス風のシングルは、キックの鳴りもあるが、少しユニークなポップスの色合いがある。レニー・クラヴィッツとコラボした「I Believe In Love Again」、最初の世界的ヒットとなった「(It Goes Like) Nanana」に続く先行シングルである。以下よりチェックしてほしい。

 

グーのアウトプットは、K-POPのトレンドにあるのではなく、TM Networkのようなレトロな感覚とダンスミュージックの軽やかさに重きが置かれている。トレンドからほどよく距離を置いた感じに面白さがある。

 

ペギー・グーは今夏のフジロックフェスティバルに出演予定である。 デビューアルバムは6月7日にXLからリリースされる。フェスティバル参加者は、ぜひチェックしておきたいアルバム。

 

 



アイルランド・ダブリン出身の若きシンガーソングライター、Lucy Blue(ルーシー・ブルー)は昨年末デビューアルバム『Unsent Letters- (送られなかった手紙)』をリリースし、同地のミュージック・シーンにその名を知らしめることになった。ミュージシャンの音楽はその時時の感情をシンプルにポップスに込めるというもの。純粋な感覚であるため、琴線に触れるものがある。

 

今年始めに発表されたシングル「The End Of The World」に続く「Home」は3年以上前に書き下ろされた曲であるという。心のこもった優しい曲で、クリエイティブな結実を果たしている。ノスタルジックなインディーフォークトラックについて、ルーシー・ブルーはこう語っている。

 

「この曲を書いてから、幸運にも家についていろいろなバージョンがあることを見つけました。いつも住んでいた家ではなく、出会った人々だったこともあります。このところ、私は3年間家を離れて暮らしていたけれど、これほどまでに家とのつながりを感じたことはありませんでした。この家は私のことをよく分かってくれているし、この家を”私の家”と呼べることを幸運に思っています」

 

ルーシー・ブルーはニューシングル「Home」の発売を記念するリリースパーティーをロンドンの"Jazz After Dark"で5月21日に開催します。

 


「Home」

Weekly Music Feature



・Wu-Lu(ウー・ルー)-Background



パンクラップシーンのリーダーとして登場したWu-Lu(ウー・ルー)は、再三再四述べている通り、サウスロンドンの文化の多彩性を象徴づけるミュージシャンである。彼は最初ロンドンのミュージックシーンに名乗りを上げた際にはケンドリック・ラマーのような髪型をしていて、実際の音楽性もあってか、''コンプトンの英雄の再来!?''と思ったほどである。およそ2年が経過した今ではステージでの立ち姿のかっこよさの印象も相まってか、ジャマイカのレゲエの神様、ボブ・マーリーのように見えることもある。


少なくとも彼は、アップデートし続ける革新的なサウンドを介して独自の視点を伝える天才性に恵まれている。多様な影響を受けながら、彼の音楽は過小評価されている人々、声を上げられぬ人々、壁を打ち破ろうと奮闘する人々のためのものである。長い不安と激動の時代に次世代を担う声として、彼はUK音楽シーンの最前線にいる理由を示しながら、爽やかにアンダーグラウンドで親しみやすい存在であり続けている。


およそ32歳にして、問題を抱えた子供たちのためのセンターで教育者として働いてきた純粋な人柄が魅力の英国人ミュージシャン、Wu-Luは、ブリクストンで育ち、双子の子供と一緒に過ごすことで、大切なことを学んだ。怒り、恐怖、対人恐怖症、自己肯定感の欠如、パラノイアなどあらゆる苦しみがこの世界には偏在することを……。


ウー・ルーは自主レーベルから断続的なリリースを行いながら、ステージではコレクティブのような体制を組み、ギターを弾きながらメンバーとラップをし、そしてニュアンスを超え、歌をうたうという未曾有のスタイルを確立させた。スケートカルチャーから得たスリリングさとラップの楽しみは「South」によってひとまず集大成を見た。このシングルはロンドンのダンスミュージックの名門レーベルであるワープレコードからその才覚を見出される契機ともなった。続いて同レーベルからリリースされたデビューアルバム『Loggerhead』は、2022年の最大の話題作と言っても良く、同地のシーンに鮮やかな印象をもたらした。

 

ロンドンのMachine Operatedが撮影した、ささやかなベッドルームでポーズをとり、3つの自分のヴァージョンを展示しているアーティストの写真という、興味を惹くジャケットから発見されたこのアルバムは『Ginga EP』(2015年にウー・ルー自身のレーベルからリリース)の後継作であり、内的な苦悩を取り巻きながら聴く者を優しく包み込み、突き放すようなアルバムだった。『Loggerhead』では、ラリー・クラークの『KIDS』(1995年)のトラッシーな雰囲気やスケート・パークで感じる開放的な感覚など、奇妙なものを無条件に愛するというウー・ルーが、クリエイティヴな激しさが際立つが、芸術で成功するためには懸命に働き、一部を犠牲にしなければならないと人々が感じている高級住宅地と化した後のロンドンへの旅に私たちを誘った。「私は、人々の過去や日々の出来事を考慮しなければならないという考えを守ろうとしている」と、かつてマイルズ・ロマンス=ホップクラフトは音楽の趣旨についてNumeroに語った。


枠組みや常識、あるいは社会が要請する規範にとらわれず、主体性をもって考えること、そして自分を信じきること、自分の違いを確信することは、ウー・ルーが12曲入りの最初のアルバムを作り上げたときのテーゼとなっただけでなく、彼が自分の人生に適用し、周囲の若者たちに植え付けようとしている原則でもあった。「子供たちと仕事をしていると、とんでもないことを耳にすることがある。ラップをしながら、自分たちが何をやっているのかさえわからないとか、レーベルと契約するためにああいう風に歌おうとしているとか……。私はその度に彼らに説明するんだ、契約したところで何の意味もないよ、銀行で換金できる小切手に過ぎないのだから……」と。このアルバムで、英国の注目の実験音楽家ミカ・リーヴァイとコラボした彼は、音楽の仕事も他の仕事と同じだと確信したに止まらず、アートで成功を収めるための鍵は、「幼少期から多種多様な創造的プロセスを理解することである」と、自分自身にも将来の後継者にも主張している。これは子供の頃の原体験がのちに異なる形で花開くことを意味している。

 

ニューヨークのアルビン・エイリーでダンサーの訓練を受けた母親と、グラストンベリーで公演を見に来たジャズバンドのメンバーだった父親に囲まれたウー・ルーは、頭の中でループする夢想に囚われるべきでないと信じること、人と異なる自分の個性を心から愛すること、自分の目標が実現すると強く信じることを教えられたのだった。



Wu-Lu 『Learning To Swim On Empty」EP - Warp 


"Learning To Swim On Empty"

 

ヒップホップの新基軸に到達!?

 

サウスロンドンのWu−Luは、デビューアルバム『Loggerhead』を通じて、彼の頭をさまよう取り留めのない言葉を巧みに捉え、それらをリリック/フロウという形で外側に吐き出し、UKドリルやオルタナティヴロック、パンク、ヒップホップ、そして時には、ベースメントのクラブミュージックを融合させた多面体の音楽を築き上げた。

 

ひとつのアルバムの中に、ロンドンの無数の音楽が詰め込まれているような感じ、言い換えればそれはヒップホップや音楽そのものが持つ多面体としての性質を織り込んだような独特な表現形式は、彼の芸術的な天才性を表すとともに、複数の人格の側面を示唆し、破天荒な性質を捉えていたのかもしれない。また、彼のハイライト曲「South」が収録されていることもあってか、デビュー作の作風はミュージシャンのアグレッシヴな性質の側面を反映させたものだった。

 

しかし、続くミニアルバム『Learning To Swim On Empty』では一転して、エレクトロニック・ジャズ、ラップ、レゲエ/ダブ、コンテンポラリー・クラシックと、意外性に富んだ作風へとシフトチェンジした。


発売日を迎えた昨夜、BBC RadioでもオンエアされたEP『Learning To Swim On Empty 』はきわめてコンパクトな構成でありながら、フルアルバムのごときボリュームがある。UKミュージックの卓越した魅力を示すとともに、ポスト・パンクやジャズで飽和しかけたロンドンの音楽を次の世代へと進める役割を持つ。このアルバムでウー・ルーは飽和した音楽業界に革新をもたらそうとしている。

 


「Learning To Swim On Empty 」は、タイトルもシュールだが、実際の音楽はもっとシュール。スマイルの最新作『Wall Of Eyes』に近いタイトな構成を持つ全7曲は、それぞれ音楽の異なる魅力の側面を示唆しており、各々の曲は違うジャンルで構成されているが、そこには一貫性があり、中核となる箇所は普遍的な意義を持つ。たとえ、アウトプットの手段が流動的で分散的であるとしても、彼の音楽は破綻をきたす寸前のところで絶妙なバランスを保ちつづけている。


ミニアルバムの冒頭を飾る「#1 Young Swimmer」は、エレクトリック・ピアノ(ローズ・ピアノ)を用いて、メロウなR&Bのムードを呼び起こす。そしてその後、フランスのヒップホップグループ、Jazz Liberatorzを彷彿とさせるジャズ/ヒップホップのクロスオーバーが続く。この曲のスポークンワードで録音に参加した詩人として世界で活動するRohan Ayindeは、ミック・ジェンキンスのアブストラクトヒップホップの系譜にあるメロウな音楽性と文学性、そして曲そのものから醸し出されるテイストに物憂げな風味を添える。従来のトリップホップのようなメロウさは、Wu-Luの新しいスタイルを表していると言えようか。短いフレーズの反復的な響きの流れの中を漂うフロウのニュアンスには奥行きがあり、ロンドンのLoyle Carner(ロイル・カーナー)からのフィードバックもありそうだ。しかし、それらは、やはりこのアーティストの持つ個性によって縁取られ、表面の音楽性とその裏側にある音楽という二つの側面を生み出す。また、この曲はインタリュードのような形で収録され、音楽のムードを引き立てるのである。

 

音楽、芸術、あるいは文学にも敷衍できるかもしれないが、制作者の実際的な体験がアウトプットされるものに、表からは見えづらい形で反映されることがある。Wu-Luの場合は、サウスロンドンの日常的な暮らしに加え、問題を抱える子供のための施設で働いていた経験が彼の新しい代表曲に分かりやすいかたちに表れている。EPのリリースと合わせて公開された「#2 Daylight Song」は、レゲエとダブをエレクトロニックの観点から解釈したトラックメイクに合わせて、彼は世の中にはびこる苦悩をシンプルなリリックとして紡ぐ。Wu-Luこと、マイルスのボーカルは、フロウとボーカルを掛けあわせた未知の表現へと移行していく。曲の序盤では、物憂げな感覚がフィーチャーされるが、途中からはチェロの演奏が入り、上品な雰囲気を生み出す。ヒップホップとしては、ロンドンのエレクトロニックの影響もありそうだが、より端的にいうと、エミネムのフロウのスタイルを受け継ぎ、ニュアンスの多彩な変化を披露している。

 

 

「Daylight Song」





前曲でレゲエからのフィードバックを暗示させた後に続く「#3 Sinner」では、古典的なイギリスのダブへと回帰している。Mad Profeesor(マッド・プロフェッサー)、Linton Kwesi Johnson(リントン・クウェシ・ジョンソン)、Holger Czukay(ホルガー・シューカイ)といったダブの伝説的なオリジネーターの多重録音のトラックメイクを継承し、その上に繊細なアコースティックギターを重ね、新しいオルタナティヴの形を示している。表向きにはダブの古典的な響きとリズムが際立つが、一方、Nilufer Yanya(ニルファー・ヤーニャ)のように音楽のポピュラリティも重視される。アンニュイな感覚を持って始まるイントロが、サビの部分でレゲエを思わせる開放的なフレーズに変化する時、彼のソングライティングの特性である癒やしが生み出される。また、このEPで新たに導入されたストリングスも本曲のイメージを華やかにしている。

 

EPの中盤に収録されている「#4 Mount Ash」は、驚くべきスケールを持つ楽曲で、彼の新しいチャレンジが示唆されている。Nilufer Yanyaの「Like I Say」と合わせて、オルタナティヴのニュースタンダードが誕生したと言えるのではないか。グランジを思わせる暗鬱なアコースティックギターから、曲の中で、ジャンルそのものが変化していくような奇妙な感覚に縁取られている。それは舞台俳優のようなイメージを活かして登場した、Benjamin Clementine(ベンジャミン・クレメンタイン)のような劇伴音楽の形式、つまり、舞台芸術やバレエ音楽のような役割を通じて、音楽におけるストーリーテリングの要素を巧みに引き出す。そして、そのドラマ性やダイナミックな感覚を引き立てるのが、ピアノ、ストリングベス・ギボンズの音楽性に見受けられるようなクラシックのオペラを意識した、アーティスティックな雰囲気のボーカルである。ストリングの微細なパッセージーースタッカートーーを通じて、曲はにわかに緊張感のある展開へ続き、リバーブの効果を巧みに用いながら、音像が持つ奥行きを徐々に拡大していく。 


 

 「Mount Ash」

 

 

 

しかしながら、それらの大掛かりな音楽のイメージが途絶え、それと入れ替わるようにし、静かなピアノの演奏が出現する。さながら演劇の舞台の演出が最も盛り上がりを見せたところで、とつぜん、上部のライトが暗転し、ピアノを奏でるWu-Luが舞台中央に出現するようなイメージだ。彼はそれらをヒップホップのかたちにつなげる。かと思えば、その後すぐ、緊張感のあるボーカルが再登場し、”オーケストラとヒップホップの融合”という未曾有の音楽形式を作り上げていく。


続いて、ひとつひとつの音符の出力に細心の注意を払いながら、最もアヴァンギャルドな領域へと曲を移行させていく。多少、誇張的な表現となるかもしれないが、音楽そのものが物理的な空間を飛び出して、それとは異なる霊的な領域へ近づく瞬間である。そして見事に、彼は今や数えきれないほど枝分かれした無数の音楽にワンネスをもたらすのである。それは最終的に、ロックやヒップホップを超越し、オペラ風のトリップポップという形でひとまず終わりを迎える。

 

一瞬、EPの音楽は、現代音楽やクラシカルな世界へと聞き手を誘うが、それらのモーメントはつかの間。彼は、再び”WU-LU”というアーティストを生み出すきっかけとなったサウスロンドンのストリートカルチャーの中へと舞い戻る。 これは大型のコンサートホールで緊張感のあるひとときを過ごしたあと、街にふらりと飛び出し、スケートパークに足を踏み入れるときの安らぎを感じさせる。そして彼は、最近のロンドンやその近郊のラップで主流派とも言えるグリッチを用いたUKドリルではなく、古典的なブレイクビーツを用いたヒップホップへと回帰し、自らのスペシャリティを示そうとしている。しかし、確かに、De La Soul(デ・ラ・ソウル)の時代から引き継がれるLPの音飛びのような効果を用いたチョップの技法を多少意識していると仮定したとしても、モダンな印象が前面に押し出されている。それは制作者が”ラップの中のヒップホップ”という考えではなく、”ポピュラーソングの中のヒップホップ”という考えを重視しているからなのかもしれない。少なくとも、この曲はアブストラクトな印象を持つ前曲が少し理解しづらかったというリスナーにとって、かなり親しみやすいものとなるのではないだろうか。

 

アルバムの前半部はエレクトロニックを絡めたR&B,レゲエ、ダブ。そして第二部はヒップホップとオーケストラの融合、そしてストリートカルチャーを反映させたヒップホップという形で続いたあと、EPの第三部は、Ezra Collective(エズラ・コレクティヴ)のアフロジャズやモダンジャズを反映させた驚くべき結末を迎える。

 

第三部の序章となる「#6 Last Night With You」はアーティストにしては珍しく日常的なアバンチュールを想起させるもので、それはホーンセクションとシャッフルのリズムを用いたドラミングという形で、デビューアルバムの頃のアグレッシヴな音楽性を呼び覚ます。そしてジャズとラップの融合というエズラの手法を踏まえ、よりそれらをリズミカルに解釈している。エレクトロニックとジャズ、その上にソウルとレゲエの要素を散りばめ、軽快なナンバーを書いている。


これは多少シリアスに傾きがちなアルバムに親しみやすさをもたらしている。前衛的な性質と古典的な性質を兼ね備えたウー・ルーは、第三部の最後、つまり、EPのクローズ曲で、ジャズのシャッフルのリズムとサンプリングのスポークンワードという要素を通じて、最初のJazz Liberatorzのテープ音楽のような形に回帰する。少なくとも、プロデューサーの繰り出すラフでくつろいだジャズセッションは、ミュージックコンクレートの手法を用いながら、しだいに次なるステップーニュージャズーへ進む。トランペットのレガート、トリルを巧みに用いたサンプリング、イントロから続く語りのサンプリングは、徐々に物語性を増していき、その音楽の核心ーー地殻のコアのような最深部へとしだいに近づいていく。EPの最後でそれらの音像がサイケデリックな印象に彩られる時、未知の世界に繋がる音楽の扉が少しずつ開かれるかのようだ。


 

100/100

 
 
 
「Crow's Nest」


TikTokのカバー動画が瞬く間に話題となり、弱冠18歳にして今や世界中に100万人以上のフォロワーを誇る日系アメリカ人シンガーソングライター、Hana Effron(ハナ・エフロン)は”アデルの再来”とも称されている。本日、アーティストは先月公開された「Let's Talk」のオリジナルバージョンに続いて、日本語のテイクを配信した。正統派シンガーの伸びやかなビブラートは感動的で、言葉の節々には温かな感情と普遍的な愛情が示唆されている。先月のオリジナル・バージョンのレコーディング映像と合わせて、日本語バージョンのテースターもチェックしてみよう。


アメリカで育ち英語ネイティブな生活を送りつつも自宅では母と日本語で話したり、祖父母に会うために毎年日本を訪れるなど、日本は彼女にとって第二の母国。自身のアイデンティティや思いを込めて歌う日本語ver.は、芯があり力強くその中に豊かさを感じられるハナの歌声の魅力を存分に引き出している。ジャケットにはアーティスト名が日本語で記載されたスペシャル仕様となっている。


本作は「決して恋愛に限った話ではなくて、自分の人生の中に当たり前に存在していた人と疎遠になってしまうことへの寂しさだったり、親しかった頃を思い出してもう一度話したいと思うような、そんな言葉にならない感情を歌にした。」とハナが語るように、現代人がオンラインとオフラインの乖離から抱える寂しさとも重なり、多くのリスナーが共感できる内容を歌っている。


ルーツにある日本と、生まれ育った南カリフォルニアのカルチャーが融合され、唯一無二の感性を持ったシンガーソングライター ハナ・エフロン。日を追うごとに要注目人物として世界中から注目を集めるハナの飛躍する姿をお見逃しなく!

 

 

「Let's Talk」- Original Version

 

 

「Let's Talk」- Japanese Version (Best New Tracks)

 

 


Hana Effron(ハナ・エフロン)  -  「Let's Talk」  NEW SINGLE




レーベル(国内):ASTERI ENTERTAINMENT (アステリ・エンタテインメント) 

形態:ストリーミング&ダウンロード 

 

Pre-save/Pre-add(配信リンク):https://asteri.lnk.to/HE_letstalk_JP



Hana Effron Biography:


日本にもルーツを持ち、南カルフォルニアで生まれ育った弱冠18歳のシンガーソングライター、ハナ・エフロン。

5歳のころにピアノを習い始めステージで演奏するようになったことがきっかけで、音楽活動に興味を持つ。

最初は趣味で投稿していたTikTokのカバー動画だったが、2020年にアップした動画が瞬く間に注目を集め、現在では約100万人のフォロワーと2000万以上の “いいね” を獲得。

高校卒業後はアーティストとしての自身の音楽とアイデンティティを追求する道に進むことを決める。

自身が好きなアーティストとして名を挙げるアデルやビリー・ジョエルといったアーティストから音楽的なインスピレーションを得て、それに《耳から入る音を元に作曲する能力》を組み合わせることで、ハナは唯一無二のスタイルを確立した。

フルートやギター、ピアノなどを演奏するマルチ・インストゥルメンタリストとしての一面も。

現在、BTS, Jung Kook, Jonas Brothersらのプロデュースで知られる超一流プロデューサー、デヴィッド・スチュワートとデビュー・アルバムの制作に取り組んでいる。

©︎Tim Atlas


ブルックリンを拠点に活動するシンガーソングライター、プロデューサーのTim Atlas (ティム・アトラス)が、先月のリリースに続き、早くもメロウなR&Bシングル「Stardust」をリリースしました。リリックビデオのプレビューが公開されていますので下記よりチェックしてみて下さい。


ロサンゼルスに向かう旅の間に制作されたという本楽曲は、ティムが拠点とするブルックリンの都会的で洗練されたサウンドと、LAに燦々と降り注ぐ陽の光がもたらす開放的でカジュアルな空気感を内包し、肩の力が抜けた酒脱な雰囲気が漂う。


制作に関して「デビット・ボウイの音楽を自分なりのアプローチで再解釈した。」と語るティム。楽曲タイトルの「Stardust」も デビッド・ボウイが生み出したキャラクター ”ジギー・スターダスト”に由来しており、ティムの遊び心とレジェンドアーティストへのリスペクトが感じられる。


音楽面では、まるで異世界へと誘われるようなミステリアスなシンセの音色や、レイドバックしながらも細かく刻まれたビート、甘美なティムの歌声と色気漂うメロディラインが融合。


サビでは、“空から降ってくる星みたいに君を僕のものにしたい” と歌い、親密な人との愛しい時間をロマンチックな瞬間へと演出してくれる。


今月末5月31日には、愛、不安、信頼などをテーマにしたデビューアルバム『Enchanté』をリリースすることも発表しているティム・アトラス。


ティムの音楽的スタイルでもあるR&B、ネオソウル、オルタナティブからサイケデリックまで様々なサウンドをスムースに横断し、世界中の音楽ファンを虜にしている。



「stardust」-Preview




Tim Atlas 「stardust」- New Single


レーベル:ASTERI ENTERTAINMENTERI 

形態:ストリーミング&ダウンロード


Pre-save/Pre-add(配信リンク):https://timatlas.ffm.to/stardust



Tim Atlas Biography:


ロサンゼルス出身・ブルックリンを拠点に活動するシンガーソングライター、プロデューサー。

2018年にリリースされたEP『All Talk!』で注目を浴び、ラジオ局や様々なメディアから熱烈な支持を受ける。ストリーミングの再生回数は累計1億5000万回以上を記録。 ニューヨーク、ロサンゼルスなど、計10箇所を巡る全米ツアーを敢行するとソールドアウト公演が続出。

また、Jungle Giants、Magic City Hippies、Goldroomなどのサポートとしても活動。UKの「The Great Escape Festival」やサンフランシスコの「Noise Pop」、アリゾナ州で行われた「M3F Festival」にDominic Fike、Arlo Parks、Bakarと並び出演するなど大きな注目を集めている。2023年8月にはEP『Le Soir』、そこからわずか半年後の2024年2月にもEP『Matinee』をリリース。世界中の音楽ファンを魅了するティム・アトラスから目が離せない。



 



不均衡な均衡をテーマに掲げるアパレル・ブランド【homesicc】によるセルフタイトル・イベント「homesicc」が、2024年7月08日(月)WWW/WWWβにて3年ぶりに開催されます。AWDR/LR2、Space Sower、homesiccによる共同企画で、かなり個性的なメンツが揃っています。

 

イベント”homesicc”は、ヒップホップを軸として、様々なジャンルの音楽を織り交ぜた新パーティーとして企画されました。第一回目から出演経験があり、もはやイベントの常連アーティストとも言える(sic)boyはもちろんのこと、Aisho Nakajima、HIMAWARI、Joe Cupertino、Luby Sparks、N² (Kyundesu)、OKAMOTOREIJI (OKAMOTO’S)、Yohji Igarashi、とジャンレスで豪華なラインナップが組まれています。この日程や出演アーティストの詳細を以下より確認してみて下さい。

 

また、今後も出演アーティストが追加発表される予定。当日は「homesicc」会場限定Tシャツの販売もされるとのことで、ぜひ当日のイベントへの参加をご検討されてみてはいかがでしょうか。

 


・本公演のチケットは、本日(5月16日(木))21:00より一般販売開始 *先着



homesicc presents “homesicc”

 

Date : 2024.07.08 [mon]

Open/Start : 18:00/19:00

Venue : WWW/WWWβ (Shibuya, Tokyo) [ https://www-shibuya.jp ]

 

Act (A to Z) : 

Aisho Nakajima, HIMAWARI, Joe Cupertino, Luby Sparks, N² (Kyundesu), OKAMOTOREIJI (OKAMOTO’S), (sic)boy, Yohji Igarashi and more...

 

Adv. : 4,000 Yen +1D

Door : 4,500 Yen +1D

Ticket : LivePocket [ https://t.livepocket.jp/e/homesicc

 


イベントの出演者情報:


・Aisho Nakajima



19歳からオーストラリアに移住し、オープンで多様なカルチャーの中で感性を育み、帰国後 2020年から東京で音楽活動をスタートさせた。圧倒的な歌唱力に加え、メイクやファッションにおいても類稀なる才能を持ち、これまでにVogue Japan、NYLON JAPAN、HIGHSNOBIETY JAPAN、 UNLIRICE Magazine、等でも取り上げられ、多くの著名人からの支持も厚 く、コラボ楽曲リリースしている。シンガー /ソングライター/パフォーマー/ モデルとして、自身の世界観を表現していくクィア・アイコン。


・HIMAWARI



曇りがかかった空中を浮遊するようなミニマルなフィーリングとアブストラクトでポリリズミックなサウンドを織り交ぜるスタイルを持ち味に全国各地に多くのファンを持つカルチャーアイコンである。

原宿キャットストリートの老舗ショップとして知られるCannabisのディレクターとしても活躍しており、東京の音楽シーンとさまざまなカウンターカルチャーから常に支持の厚い女性アーティストである。


・Joe Cupertino



カリフォルニア州クパチーノ出身の日本人ラッパー/トラックメイカー。

2019年より活動を開始し、2021年には自身のファーストアルバム「CUPETOWN」、2022年にはセカンドアルバム「SAD JOE AID Ö」をリリース。

同作品の先行リリース楽曲である「DOOR」は楽曲のクオリティと共にジャケット・デザインを「ひゃくえむ。」、「チ。-地球の運動について-」などで知られる漫画家 魚豊が手掛け話題となる。

音楽番組での活躍を期待される注目ラッパーとして特集されるなど、その勢いは止まらず、2023年四ヶ月連続配信シングルをリリースしている。

幼い頃から音楽に対しての愛が深く、それを還元するために自ら制作を始めた。海外での生活の経験も経て、人一倍いろんな文化に触れている分、様々な観点から日本語と英語を駆使した独特なフロウでラップをする。


・Luby Sparks



Natsuki (ba/vo)  Erika (vo)  Sunao (gt)  Tamio (gt)  Shin (dr)。

2016年3月結成。2018年1月、Max Bloom (Yuck) と全編ロンドンで制作したデビューアルバム「Luby Sparks」を発売。2019年9月に発表したシングル「Somewhere」では、Cocteau TwinsのRobin Guthrieによるリミックスもリリースされた。

2022年5月11日にMy Bloody Valentine、Rina Sawayamaなどのプロデュース/エンジニアを手掛けるAndy Savoursを共同プロデューサーに迎え、セカンド・アルバム「Search + Destroy」をリリース。同年6月には、初のワンマンライブ「Search + Destroy Live」(WWW X) も行い、ソールドアウトとなった。

10月にはタイ・バンコクでの海外公演を行い、2023年3月17日より、NY、ボストン、フィラデルフィア、サンフランシスコ、シアトル、サンディエゴ、LAの全7都市にて「US Tour 2023」、9月には中国「Strawberry Music Festival 2023」を含む全7都市「China Tour 2023」、10月には韓国のストリートカルチャー・コンベンション「FLOPPY 1.0 - Let’s FLOPPY」、11月にはインドネシア「Joyland Festival」へ出演を行うなど海外での展開も積極的に行なっている。現在の最新作は2024年5月にリリースする4曲入りEP「Songs for The Daydreamers」。


・N² (Kyundesu)



DJ・次世代型パーティ「きゅんです」の主催者。カリフォルニア育ちの、原宿ガール。VOGUE JapanやDAZEDに取り上げられて注目を浴び始め、東京をはじめヨーロッパ、アジア、アメリカなど世界周でDJとして活躍中。DJプレイを通して、各地にNEO-TOKYOのキュンをお届け。2024年2月に1st シングルの「kyundesu」をリリース。


OKAMOTOREIJI (OKAMOTO’S)



1991年生まれ、東京都出身。

中学校の同級生で結成された4人組ロックバンドOKAMOTO'Sのドラマー。

デビュー当時は年間平均100本を超えるライブを展開し、海外公演等も積極的に実施。

2023年11月からはロックバンドながら、異色ともいえるトークとアコースティックをメインとしたTour「出張!オカモトーク Acoustic/Talk Tour 2023-2024」を開催。

2024年1月31日にはTVアニメ『アンデッドアンラック』 第2クールエンディングテーマ曲「この愛に敵うもんはない」をリリース。

ソロ活動としては、2022年秋に映画「もっと超越した所へ。」に本格演技初挑戦として出演するなど、メジャーシーンで活躍する一方、DJやエキシビション「YAGI EXHIBITION」の主催も務める


・(sic)boy



オルタナティブ、エモ、ラウドロックの要素やメロディアスなフローをヒップホップに落とし込んだスタイルで稀有な存在感を放つ(sic)boy( 読み:シックボーイ)

1stアルバム『CHAOS TAPE』は東京をテーマに独自の世界観とジャンルレスなサウンドから“ジャンル東京”と称され国内外から注目を集め、2023年にはVERNON(SEVENTEEN)らを客演に迎えたメジャー1stアルバムをリリース。


・Yohji Igarashi



Producer/TrackMaker/DJ


ラッパーHIYADAMのメイン・コンポーザーを務める他、これまでに様々なアーティストへの楽曲提供・Remixを行う。自身名義での楽曲リリースも行っており、これまでに4枚のEPを発表。2022年5月には、アメリカを拠点とする、アジアのカルチャーシーンを世界中に発信するメディアプラットフォーム<88rising>より、新しい学校のリーダーズ(ATARASHIIGAKKO!)「PineappleKryptonite(YohjiIgarashiRemix)」を全世界リリースした。

2023年8月にHipHopクルー<CreativeDrugStore>に所属するラッパー/プロデューサーJUBEEとのコラボレーションEP「electrohigh」をリリースし、全国6箇所を巡るツアーを敢行する等、幅広く活動。

2024年5月には"NEWHIPHOUSE”を提示した、HIYADAMの2ndアルバム「CaptureLand」を全15曲プロデュース。DJとしてもクラブを中心に数々のイベントでプレイしており、<ULTRAJAPAN2022>への出演や、AAAMYYYバンドのメンバーとして<FUJIROCKFESTIVAL'21>にも出演を果たす。


Loma
©︎Emily Cross


テキサスのオルタナティヴロックバンド、Lomaはニューシングル「Pink Sky」を公開した。Sub Popから6月28日に発売される『How Will I Live Without a Body?』の最新シングルとなる。この曲はアンニュイなトリップホップ風の音の運びから、クラリネットや実験的なストリングスの音響が押し広げられ、アンビバレントなアトモスフィアに充ちた奇妙な音楽空間を生み出す。多くの楽器を使用出来なかったという限定性は、むしろロマの音楽の想像力を広げる役割を果たした。

 

先行公開されたリードシングル「How It Starts」に続く作品で、サブリナ・ニコルズ監督によるミュージック・ビデオも同時に公開されています。ミュージック・ビデオについては以下よりご覧下さい。


「このお茶目な小さな曲は、アルバムに遅れて追加された。イギリス南部の寒々とした白壁の部屋で録音したんだけど、最初はナイロン弦のギター、2ピースのドラムセット、カシオのキーボード、クラリネットだけで、楽器はあまり持っていなかった。でも、その挑戦が好きだった」

 

Lomaの新作アルバム『How Will I Live Without a Body?』はトリオのセルフ・プロデュースで、イギリス、テキサス、ドイツと三カ国にわたってレコーディングされた作品である。ダン・ダジンスキーがミックスし、ニューヨークのスターリング・サウンドでスティーヴ・ファローンがマスタリングを担当。全曲がグループによって作曲され、ユニークなAIの助言もあったという。


 
『How Will I Live Without a Body? 』は、パートナーシップ、喪失感、再生を意味していて、そして、私たちは孤独だという感覚との戦いについて歌った、ゴージャスで、ユニークで、奇妙なほど心安らぐアルバム。多くの曲には、落ち着きのないパルスの感覚がリアルに感じられる。表情のない登場人物たちが、出会いと別れを繰り返しながら漂い、絡み合ったり離れたりする。土臭く、オーガニックで、人間味にあふれ、クロスのクールでクリアな歌声に支えられている。

 

 

 「How It Starts」

 Dehd 『Poetry』




Label: Fat Possum 

Release:05/10/2024

 

 

Review シカゴのオルタナティヴロックトリオの快作

 

三人組のシカゴのオルタナティヴロックバンド、DehdはBeach Fossils、Real Estate、DIIVのフォロワー的な存在と言えるかもしれない。彼らのインディーロックのニュアンスは現在のUSスタイルに合致しており、Packs、Why Bonnie、Wednesdayといった良質なオルタナティヴの系譜にある。

 

端的に言えば、サーフミュージックをオルタナティブロックに絡めるというスタイルは、ビーチ・フォッシルズのデビュー当時の音楽性を想起させることがある。特に、伝説的なギタリストDick Daleの影響を思わせる古典的なサーフミュージックの性質は、稀に、ダン・キャリーが手がけるWet LegやRoyal Otisのようなライトで緩い感じのポストパンクに近くなる瞬間があって素晴らしい。超越性や完璧性を追求するのではなく、少し砕けた感じのオルタナティヴロックに親近感を持つリスナーは少なくないはず。古臭いといえばそれまでだけど、オープナー「Dog Days」には三人組のほとばしるような青さが親しみやすいロックソングという形で展開される。

 

Dehdの作り出すインディーロックソングはどことなくノスタルジックな気分に浸らせてくれる。続く「Hard To Love」、「Mood Ring」はアルバムの序盤のハイライトで、シンガロングのフレーズとエバーグリーンな感じが掛け合わされ、軽快なイメージを持つロックソングが作り出される。


Dehdのギターサウンドは、ごく稀に轟音のフィードバックを活かしたシューゲイズのディストーション/ファズに縁取られることがある。「Necklace」は、それらをちょっとルーズな感じのアメリカーナと融合させている。ダウナーなボーカルも表面的なイメージとは異なり、渋みと深みを生み出す。ボーカルにはLou Reedからの影響が感じられ、アメリカのオルタナティヴの原点を思い出させる。それらが、Real Estate,Beach Fossilsが2010年代頃に確立したアルトフォークやサーフミュージックからの影響を絡めたロックソングを継承するような形で展開される。


もう一つのDehdの長所としては、曲ごとにメインボーカルが切り替わり、そのことが作風にバラエティ性をもたらしていること。「Alien」ではボーカルがアンセミックに掛け合わされ、バンドの一体感を生み出される。これがより強固なイメージを持つ音楽となれば理想的かもしれない。


続く「Light On」は、Violent Femmesを彷彿とさせるコアな音楽的なプローチを選び、ルーズかつ緩い感じのロックソングへと昇華させている。サビでのアンセミックなフレーズは親しみやすさがあり、それらの音楽的なストラクチャーを乾いた質感のあるシンプルなドラミングが補佐している。バンドのきらめきを感じさせるのは、ボーカルのフレーズにディストーションギターが溶け合い、純粋なエモーションを生み出す時だろう。さらに「Dist B」では、表向きから見えづらい形でボーカルのちょっとキュートなイメージが醸し出される。そこには、バンドによるセンチメンタルなエモーションの奔流を捉えることが出来る。拙さや弱さ、あるいは音楽が未完成であることは、時にバンドの強みになることがある。これらのマイナスの側面から生み出される純粋さは、経験豊富なベテランバンドにはなかなか生み出しがたい空気感でもある。

 

もしかすると、音楽的な知識の豊富さ、実際的な演奏技法の多彩さ、アウトプットの広範な選択肢を持ち合わせているかどうかは、Dehdの少しだけ斜に構えたクールな音楽を聴くかぎり、良い音楽を制作する際にそれほど重要なことではないのかもしれない。つまり、彼らは、対外的に言うべき言葉を内側に持っていて、ロックソングに乗せてシンプルに吐露しているに過ぎない。また、そういったもどかしい感じは若い年代のロックバンドを聴く時の醍醐味でもある。


「Knife」、「So Good」では、ややアヴァン・ポップのような音楽性が見え隠れしており、こういった音楽性が今後どのように変化していくのか、楽しみにしていきたい。しかし、中盤を過ぎても、相変わらず、Dehdは少し緩く着崩した''洒脱''ともいうべき軽妙な感覚に充ちたロックソングを提示している。「Don't Look Down」では、ビーチフォッシルズの最初期のライトな質感を持つ爽やかなロックが古典的なサーフミュージックと融合を果たす。そしてやはりシンプルなギターのアルペジオの合間を縫うようにして歌われるエバーグリーンなボーカルが穏和な雰囲気を生み出す。それに加わるビーチ・ボーイズ風の純粋なコーラスワークも良い感じ。歌詞についても、「下を向かないで/愛はあなたの周りにあるのだから……」という温かいビネットが心に残る。

 

ひとつ難点を挙げるとするなら、多少、これらの曲は終盤において少しバラエティの乏しさや作り込みの甘さを露呈する瞬間もあること。ただ、ローファイな質感を持つ「Magician」は彼らの魅力の一端が表れていると言える。いちばん興味を惹かれるのは、クローズトラックにおいて、瞑想的な響きを持つサーフ音楽をベースに新しいオルトロックのスタイルを構築していること。また、トリオの音楽にはスケーターパンクからのフィードバックを感じるときがある。

 

 

 

76/100

 
 
 

 Best Track-「Don’t Look Down」

 

Luna Li


韓国系カナダ人のシンガーソングライターでマルチ・インストゥルメンタリストのLuna Li(ルナ・リー)が、セカンド・アルバム『When a Thought Grows Wings』を8月23日にIn Real Life/AWALからリリースする。『Duality』に続くこのアルバムでは、アンドリュー・ラッピンとモンソンがプロデュースを担当している。リード曲「Confusion Song」は以下よりご視聴下さい。


リーはプレスリリースで「Confusion Song」について、「この曲は、別れた後に私の心が経験した意識の流れ。リーは、8年間連れ添ったパートナーと別れ、トロントの家族や友人と別れてロサンゼルスで再出発した後、新しいアルバムを制作した。”When a Thought Grows Wings(思考が翼を生やす時)”とは、アイデアが形になっていくこと、つまり、思考の小さな種から現実の具体的な行動へと変化していくことを意味しています」と彼女はコメントしている。

 

 

 「Confusion Song」

 

 

 

 

Luna Lee 『When a Thought Grows Wings』



 

Label: In Real Life / AWAL

Release: 08/23/2024 


Tracklist:


1. Confusion Song

2. Fantasy

3. Minnie Says (Would You Be My)

4. Golden Hour

5. I Imagine

6. Enigami

7. That’s Life

8. I Would Let You

9. Take Me There

10. Fear is an Illusion!

11. Bon Voyage

 

©Samantha Tellez

シカゴのDIYのコミュニティから登場したボリヴァイナル所属のロックシンガー、Squirrel Flower(スクイレル・フラワー)はニール・ヤング&クレイジー・ホースの「Cortez the Killer」のカヴァーを公開した。スクイレル・フラワーは、ニール・ヤングの1975年のアルバム『Zuma』の収録曲を今年3月にオースティンの''Cheer Up Charlies''で行われたライブでカバーし、レコーディングした。

 

このシングルには複数のミュージシャンが参加している。その中には、アレクサローンのアレックス・ピーターソン、グレッグ・フリーマン、ホース・ジャンパー・オブ・ラブのディミトリ・ジャンノポラス、トゥルース・クラブのトラヴィス・ハリントンのギター、マイケル・カンテラのベース、そしてティーテのカイ・ワイルドのドラムが含まれている。試聴は以下から。


「あの週、テキサスで私たちを取り囲んでいたファシズムの中で、コミュニティの力を感じる方法として、友人と『Cortez』をカバーすることにしました」とウィリアムズは声明で説明した。

 

「私はニール・ヤングと彼の妥協のない信念が大好きだから、起こっているすべての現象に対して表現できると思いました。ショーの前日に思いついた。アレックスが練習場所を提供してくれ、何度か練習した後、ディミトリとグレッグが当日クルーに加わった。すべてを出し切った。ニールの言葉を借りれば、"この人たちとこのステージに立てたことは、私の人生の喜びのひとつ”」



「Cortez the Killer」


2023年、英国のアートパンクグループ、Benefits(ベネフィッツ)は、Portishead(ポーティスヘッド)の中心人物、Jeff Barlow(ジェフ・バーロウ)の主宰するレーベル、Invada Records(インヴァダ・レコーズ)から鮮烈なデビューを果たした。


ベネフィッツは、ミドルスブラで結成され、ボーカル/フロントマンのキングズレー・ホールは大学卒業後、美術館に勤務したのち、ベネフィッツを立ち上げる。当初、彼等は、ジェフ・バーロウに才能を見出してもらいたく、Invadaの本拠であるブリストルから車で数時間をかけてギグを見に来てもらったというエピソードもある。キングスレーは当時のことについて、自分たちのアピールは多少、誇張的であったかもしれないと回想している。しかし、少なくとも、彼等はシングルのリリースを一つずつ積み重ねながら、着実にステップアップを図ってきたイメージがある。Invada Recordsとの契約は彼らが積み重ねきたものの先に訪れた当然の帰結でもあった。


今、考えると、ベネフィッツはどこにでもいるありきたりのパンクバンドではなかった。彼等は、デビュー当時から荒削りなポストパンクを発表してきた。英国の古典的な印象を込めたシングルのアートワークも、バンドの存在感を示すのに一役買った。彼等は徐々にポストパンクの中にノイズを追加するようになり、ミドルスブラの都市生活に見出されるインダストリアルノイズに触発され、ライフスタイルやカルチャーという観点から独自の音楽体系を構築するに至った。


デビューアルバムのリリースが発表された時、キングズレーさんはベネフィッツの音楽が”パンクではない”とファンに言われたことに対して不満を露わにしていた。しかし、おそらく彼等の考えるパンクとは、判で押したような形式にあるわけではない。時には、エレクトリックの中にも、スポークンワードの中にも、アンビエントの中にもパンクスピリットは偏在している。要するにパンクという性質は、ファッションに求められるのではなく、スタンスやアティテュードの中に内在する。


彼はそれをみずからの経験を活かし、ニューヨークの伝説的な現代美術家であるジャクソン・ポロックのアクション・ペインティングさながらに、スポークンワードを画材とし、音楽という無形のキャンバスに打ち付ける。彼のリリックの中に整合性を求めるのは野暮である。それはポロックの絵画に''どのような意味があるか''という無益な問いを投げかけるようなもの。キングスレーは、その時々、ふさわしい言葉を駆使し、効果的なフロウを構築してゆく。喩えるなら、それは古典的な英国の詩人が時代を経て、相異なる表現者として生まれ変わったかのようだ。


『Nails』は、当サイトの週末のアルバムとしてご紹介しましたが、コアな音楽ファンの間で話題沸騰となり、ベネフィッツはClashが主催する教会でのギグへの出演したほか、結果的には、英国最大級の音楽フェス、グラストンベリーにも出演し、バンドとしての影響力を強める要因となった。ちょうど一年前、『Nails』を最初に聴いたときの衝撃を未だに忘れることが出来ない。そして、実際、今聞いても、あのときの最初の鮮烈かつ衝撃的なイメージがよみがえるかのようだ。


デビューアルバム『Nails』は以前に発表された単独のシングルをあらためてフルレングスのアルバムとして録音しなおし、複数の新曲を追加録音。この録音は、ベネフィッツの出発となった「Warhouse」、「Shit Britain」、「Empire」、「Traitors」を中心に、全収録曲がシングル曲のようなクオリティーを誇り、スタジオの鬼気迫る雰囲気をレコーディングという形で収録している。


一触即発の雰囲気があり、次に何が起こるかわからない、驚きに充ちた実験音楽が最初から最高まで続く。取り分け、圧巻なのはクローズ「Counsil Rust」であり、ベネフィッツはノイズアンビエントとスポークンワードを鋭く融合させ、未曾有のアヴァンギャルド音楽を生み落とした。キングスレーの怒りに充ちたボーカルは、ドラムフィルを集めたクラスターの録音、スポークンワードスタイルのラップ、エフェクターとモジュラーシンセの複合からもたらされる無尽蔵のインダストリアルノイズの応酬、さらには、New Order、Portisheadの次世代のバンドとしてのエレクトロニック等と掛け合わされて、孤高と言うべき唯一無二のサウンドを作り上げる。

 

春先にデビューアルバムをリリースしたあとも、ベネフィッツは順調に活躍しており、国内やヨーロッパでのギグを行いながら、忙しない日々を送っている。昨年10月には、元Pulled Apart By Horsesのギタリストでエレクトロニック・ミュージシャンに転身したJames Adrian Brown(ジェームス・エイドリアン・ブラウン)との共同名義でのリミックス「Council Rust」 を発表した。


2024年最初のリリースは、音楽界の巨匠であり、アーティスト、エンジニアでもあるスティーヴ・アルビニへの追悼曲である。先日のシカゴの名物エンジニアが死去したという訃報を受けてから数時間のうち、ベネフィッツのキングスレーは、James Adrian Brownとのコラボレーションを行うことを決めた。両者が計画したのは、アルビニの楽曲を自分たちのテイクで再録音すること。キングズレーとジェイムズによるShellacの名曲「The End of Radio」の新しい解釈は、ホールの挑発的で感動的なヴォーカルとブラウンのサウンドスケープを劇的に融合させたものである。ここには『Nails』を”fuckin cool"と絶賛したアルビニに対するリスペクトが凝縮されている。


このニュースとコラボレーションを振り返り、ジェームス・エイドリアン・ブラウンは次のように語っている。


「アルビニは10代の僕に道を切り開いてくれました。これほどサウンド的に心地よく、興味をそそるものを聴いたことがなかった。初めてShellacを聴いたときのことは忘れられません。キングズレーとカヴァーをするというアイデアは、基本的にセラピーのようなもの。彼の作品に万歳!! RIP、アルビニ」


一方、ベネフィッツのキングスレー・ホールはアルビニの死去について次のように回想している。


「彼の芸術性、エンジニアリング、音楽業界内外のナビゲートという点で、計り知れないインスピレーションを与えてくれた。彼がツイッターのいくつかの騒々しいビデオを通じて、ベネフィットを支え、励ます存在になったことは、予想外であったと同時に驚きだった。真の天才でした」


このカバーシングルのダウンロード・セールスの全収益は、スティーヴ・アルビニの妻の慈善団体である'Letters to Santa'に寄付されます。ぜひ、Bandcampでその詳細を確認してみて下さい。

 

 


James Adrian Brown featuring Benefits 「The End of The Radio」

 

 

 



 

©︎Netti Habel

ポーティスヘッドのベス・ギボンズが、待望のソロ・デビュー・アルバム『Lives Outgrown』を金曜日にリリースする。「Love Changes」は、壮大かつ哀愁を帯びた、ベスの曲に求めるものすべてを詰め込んだようなナンバー。 またインディーフォークを基調とした美しい曲でもある。


彼女は、このシングル曲のなかでストリングスのテクスチャに相対して、「私たちはみんな一緒に迷っている/私たちはお互いを騙している...。私たちは努力するけれど、説明できない/私たちはあるフィーリングを引き受けた/輝く瞬間/そして、ゲームは何だと言った」と歌っている。


ベス・ギボンズの新作アルバムは、最初の発表時に説明されていた通り、大掛かりな音楽や装置や舞台ではなく、ギボンズがミュージシャンとして、あるいは独立系のアーティストとして今、何が出来るかを考えたというものである。『Lives Outgrown』はタイトルにも見える通り、ミュージシャンだけにとどまらず、家庭人としての人生も部分的に反映されているのかもしれない。こういったアウトプットについては、男性よりも女性の方が向いているという気がする。女性は人生の節目で現実を見つけるが、男性は現実という名の幻想の中に生きる生き物なのだ。

 

当初は、大きな希望を叶えることが人生の醍醐味であると考えていたギボンズであるようだが、年を重ねるにつれ、それらの中にはどうにも出来ない問題や弊害も存在することが分かる時がある。若い時代に抱いていた希望の多くが幻想だったかもしれず、しかし、それは諦観とも言いがたい、納得や安堵に近い感情へと変遷していくものである。なんらかの出来事に打ちひしがれたことのない人々にとっては、あまりに救いのないようなことに思えるかも知れないが、しかし、それは同時に納得出来るポイントを見出したという、明るい意味も含まれている。

 

人生とは、結局のところ、無数の選択肢のなかで、自分や周囲との関係の中で頷けるポイントを見つけるということである。ギボンズの場合は、自分自身や人生に正直であるということだった。そのことに関してギボンズは言う。「希望のない人生がどんなものかを悟りました。それは、私が感じたことのない悲しみでした。以前は、自分の未来を変える能力があった。でも、自分の体に立ち向かっているとき、その体がやりたくないことをさせることはできなかった」 

 

このシングルには、いかなる人もいつかは体験するであろう不思議な感覚があり、浮き沈みのある人生や音楽的表現を経験したことに対して、ささやかな慈しみの眼差しが注がれている。そして、窓辺の向こうにゆっくり流れていく過去の自らの人生を見つめるような優しい感情に溢れている。それは忙しない人生の流れを止め、ほんの少しだけ時計の針を遅らせる効果がある。

 


「Love Changes」



今年のベス・ギボンズのツアーは5月27日のパリから始まり、スペイン/プリマヴェーラ・サウンドと日本/フジロックフェスティバル出演を含む。全日程(ヘッドライン公演はビル・ライダー・ジョーンズとの共演)は以下の通り。



Beth Gibbons – 2024 Tour Dates:


May 27 – La Salle Pleyel, Paris - SOLD OUT

May 28 – Theater 11, Zürich

May 30 – Primavera Sound Festival, Barcelona

May 31 – La Bourse Du Travail, Lyon – SOLD OUT

June 2 – Uber Eats Music Hall, Berlin

June 3 – Falkonersalen, Copenhagen

June 5 – TivoliVredenburg (Main Hall), Utrecht - SOLD OUT

June 6 – Cirque Royal, Brussels - SOLD OUT

June 9 – The Barbican Centre, London - SOLD OUT

June 10 – Albert Hall, Manchester

June 11 – Usher Hall, Edinburgh

July 27 – Fuji Rock Festival(フジロックフェスティバル), Niigata(新潟)

Le Makeup

 

大阪出身のアンビエント/ミニマル/インディR&B、ジャパニーズポップを経由したシンガーソングライター/プロデューサーLe Makeup。アブストラクトなポップスは旧来の系譜では語り尽くせないものがある。

 

彼は自身のレーベルPURE VOYAGEを運営する傍ら、LAのEternal DragonzやオーストリアのAshida Parkなど海外レーベル、大阪の人気レーベル、EM Recordsをリリースしてきた。これらのワールドワイドなリリース形態に加え、海外アーティストとのコラボを積極的に行い、カナダのプロデューサーRyan Hemsworthとの共作を発表している。その他、tofubeatsが監修した『電影少女』のオリジナルサウンドトラックへの参加。gummyboy、Lil Soft Tennis、NTsKi、Doveなどのアーティストへの楽曲提供・プロデュース・参加などで精力的な活動を行う。


2022年10月には、音楽制作にとどまらず、海外でのイベントにも出演するようになった。この一連の動向は、海外でのファンベースを広げる契機となった。韓国でのパフォーマンスを始め、11月にはオランダ・デンマーク・ドイツにてEUでツアーを行うなど、独自の動きに注目度が高まっている。2023年にリリースした「Odorata」は、Pitchforkで取り上げるられるなど話題に。


「Odorata」に続き、1年3ヶ月ぶりとなるアルバム「予感」は、ループギター/ピアノトラックを主体としたサウンドが表向きの印象となっている。ル・メイクアップは、ナラティヴな試みをいくつか新しく付け加えて特異な作風たらしめた。南大阪での日々の暮らしを自身のトラウマという観点から見つめ直した日本語内省フォーク・クラウドラップ/アヴァンフォーク集となる。


前作アルバムの完成後、すぐに制作に取り組んだという「予感」でシンガーソングライターがたどり着いたのはどこだったのか。久しぶりに手にしたアコースティックギターからインスパイアされたサウンド、自身をキャラクターを代弁するオートチューンのかかったボーカル。それから、従来の作品で自然にアウトプット出来たという悲しくも風通しの良い音楽だ。しかし、もしかすると、それは、アーティストの音楽の一部分を現したに過ぎないのかも知れない。

 

下記に掲載する個性的なアートワークは、Fujimura Familyが担当している。マスタリングは、海外のジャズ・シーンで著名なオノ・セイゲン(Saidera Mastering)が手掛けた。


先日発表となった初のワンマンライブ「予感」5月21日(火)WWWに続き、6月09日(日)地元・大阪編もLIVE SPACE CONPASSにて開催が決定しました。最速チケット先行受付が開始しています。アルバムの詳細と合わせて、イベント情報もぜひぜひ下記よりチェックしてみて下さいね。

 

 


Le Makeup「予感」- NEW ALBUM




Digital | PURE010 | 2024.05.15 Release

Released by AWDR/LR2

 

Pre-save/Pre-Add(配信リンク): https://ssm.lnk.to/Yokan_ 


Tracklist:

01. I Wish I Were a Fool

02. 26

03. 予感

04. 忘れられなくて

05. 雨上がり

06. あなたみたいに

07. 自由

08. 歩く

09. まぼろし

10. なんで

11. 天王寺

12. Boy feat. Dove


Lyrics & Music, Arranged by Le Makeup

(M.12) Lyrics by Le Makeup, Dove

Mixed, Produced by Le Makeup

Mastered by Seigen Ono (Saidera Mastering)

Guitar, Bass, Synthesizer : Le Makeup

(M.02) Chorus : Dove

Artwork by Fujimura Family





・Le Makeup、初のワンマンライブ「予感」開催決定

 



Le Makeup One-Man Live "予感" Tokyo



Date| 2024.05.21 [Tue] Open/Start 19:00/20:00

Venue| WWW (Shibuya, Tokyo)

Act| Le Makeup (Oneman Show)

Adv.| 3,000 Yen (Tax in) +1D

Door| 3,500 Yen (Tax in) +1D

Ticket| LivePocket [ https://t.livepocket.jp/e/lemakeup ]

Information| WWW [03-5458-7685]


ソロとバンドセットで2020年に出した「微熱」というアルバムの曲から新しく出す曲まで。もっと前の曲もやるかも。知ってる人も知らない人も、この日聞いてもらえたら自分がどんなこと考えてる(考えてた)のかわかってもらえる気がする。わかる必要があるのかは別として。


なにかを起こすとか、だれか救うとかは言う気はないですけど、5月21日WWWに来てくれたら僕がパフォーマンスしてると思う。それだけは約束したい。こんな機会待ってたから嬉しい。楽しみです!!



・Le Makeup One-Man Live "予感" Osaka



Date| 2024.06.09 [Sun] Open/Start 17:30/18:00

Venue| LIVE SPACE CONPASS (Shinsaibashi, Osaka)

Act| Le Makeup (Oneman Show)

Adv.| 3,000 Yen (Tax in) +1D

Door| 3,500 Yen (Tax in) +1D

Ticket| e+ [ https://eplus.jp

 

オフィシャル最速先行(先着)2024.05.15 [Wed] 18:00〜2024.05.24 [Fri] 23:59

 

Information| YUMEBANCHI [06-6341-3525]


WWWに続いて、大阪でも『予感』のリリースライブを行います。アルバムは大阪で大阪のことを書いたから大阪の街を歩いてから聞くと、少し違って聞こえるのかなとか思ってます。CONPASSもいつも飲みに行ってる場所だし。歌に関しても自分が関西弁じゃなかったら違う曲が出来てるだろうし。そんな風に自然に出来たアルバムだし...。とにかく...お待ちしています!!



Le Makeup Biography:

 

大阪出身のシンガー/プロデューサー。関西学院大学在学中に作曲へと本格的に取り組み、以降国内外のレーベルから作品を発表。2020年、アルバム「微熱」をリリース。以後、アジアやヨーロッパツアーを行い、中国・韓国・オランダ・デンマーク・ドイツでもパフォーマンス経験がある。

 

2023年2月には、Dove、gummyboy、JUMADIBA、Tohji、環Royが参加したフルアルバム「Odorata」をリリース。このアルバムは、Pitchfork誌で紹介され、少なからず話題を呼んだ。

 

Le Makeupはニューアルバム「予感」を2024年5月15日にリリース。アルバム発売記念のライブを予定している。5月21日にWWW(東京)、6月09日にCONPASS(大阪)にて初のワンマン「予感」を行う。