©︎Tim Atlas


ブルックリンを拠点に活動するシンガーソングライター、プロデューサーのTim Atlas (ティム・アトラス)が、先月のリリースに続き、早くもメロウなR&Bシングル「Stardust」をリリースしました。リリックビデオのプレビューが公開されていますので下記よりチェックしてみて下さい。


ロサンゼルスに向かう旅の間に制作されたという本楽曲は、ティムが拠点とするブルックリンの都会的で洗練されたサウンドと、LAに燦々と降り注ぐ陽の光がもたらす開放的でカジュアルな空気感を内包し、肩の力が抜けた酒脱な雰囲気が漂う。


制作に関して「デビット・ボウイの音楽を自分なりのアプローチで再解釈した。」と語るティム。楽曲タイトルの「Stardust」も デビッド・ボウイが生み出したキャラクター ”ジギー・スターダスト”に由来しており、ティムの遊び心とレジェンドアーティストへのリスペクトが感じられる。


音楽面では、まるで異世界へと誘われるようなミステリアスなシンセの音色や、レイドバックしながらも細かく刻まれたビート、甘美なティムの歌声と色気漂うメロディラインが融合。


サビでは、“空から降ってくる星みたいに君を僕のものにしたい” と歌い、親密な人との愛しい時間をロマンチックな瞬間へと演出してくれる。


今月末5月31日には、愛、不安、信頼などをテーマにしたデビューアルバム『Enchanté』をリリースすることも発表しているティム・アトラス。


ティムの音楽的スタイルでもあるR&B、ネオソウル、オルタナティブからサイケデリックまで様々なサウンドをスムースに横断し、世界中の音楽ファンを虜にしている。



「stardust」-Preview




Tim Atlas 「stardust」- New Single


レーベル:ASTERI ENTERTAINMENTERI 

形態:ストリーミング&ダウンロード


Pre-save/Pre-add(配信リンク):https://timatlas.ffm.to/stardust



Tim Atlas Biography:


ロサンゼルス出身・ブルックリンを拠点に活動するシンガーソングライター、プロデューサー。

2018年にリリースされたEP『All Talk!』で注目を浴び、ラジオ局や様々なメディアから熱烈な支持を受ける。ストリーミングの再生回数は累計1億5000万回以上を記録。 ニューヨーク、ロサンゼルスなど、計10箇所を巡る全米ツアーを敢行するとソールドアウト公演が続出。

また、Jungle Giants、Magic City Hippies、Goldroomなどのサポートとしても活動。UKの「The Great Escape Festival」やサンフランシスコの「Noise Pop」、アリゾナ州で行われた「M3F Festival」にDominic Fike、Arlo Parks、Bakarと並び出演するなど大きな注目を集めている。2023年8月にはEP『Le Soir』、そこからわずか半年後の2024年2月にもEP『Matinee』をリリース。世界中の音楽ファンを魅了するティム・アトラスから目が離せない。



 



不均衡な均衡をテーマに掲げるアパレル・ブランド【homesicc】によるセルフタイトル・イベント「homesicc」が、2024年7月08日(月)WWW/WWWβにて3年ぶりに開催されます。AWDR/LR2、Space Sower、homesiccによる共同企画で、かなり個性的なメンツが揃っています。

 

イベント”homesicc”は、ヒップホップを軸として、様々なジャンルの音楽を織り交ぜた新パーティーとして企画されました。第一回目から出演経験があり、もはやイベントの常連アーティストとも言える(sic)boyはもちろんのこと、Aisho Nakajima、HIMAWARI、Joe Cupertino、Luby Sparks、N² (Kyundesu)、OKAMOTOREIJI (OKAMOTO’S)、Yohji Igarashi、とジャンレスで豪華なラインナップが組まれています。この日程や出演アーティストの詳細を以下より確認してみて下さい。

 

また、今後も出演アーティストが追加発表される予定。当日は「homesicc」会場限定Tシャツの販売もされるとのことで、ぜひ当日のイベントへの参加をご検討されてみてはいかがでしょうか。

 


・本公演のチケットは、本日(5月16日(木))21:00より一般販売開始 *先着



homesicc presents “homesicc”

 

Date : 2024.07.08 [mon]

Open/Start : 18:00/19:00

Venue : WWW/WWWβ (Shibuya, Tokyo) [ https://www-shibuya.jp ]

 

Act (A to Z) : 

Aisho Nakajima, HIMAWARI, Joe Cupertino, Luby Sparks, N² (Kyundesu), OKAMOTOREIJI (OKAMOTO’S), (sic)boy, Yohji Igarashi and more...

 

Adv. : 4,000 Yen +1D

Door : 4,500 Yen +1D

Ticket : LivePocket [ https://t.livepocket.jp/e/homesicc

 


イベントの出演者情報:


・Aisho Nakajima



19歳からオーストラリアに移住し、オープンで多様なカルチャーの中で感性を育み、帰国後 2020年から東京で音楽活動をスタートさせた。圧倒的な歌唱力に加え、メイクやファッションにおいても類稀なる才能を持ち、これまでにVogue Japan、NYLON JAPAN、HIGHSNOBIETY JAPAN、 UNLIRICE Magazine、等でも取り上げられ、多くの著名人からの支持も厚 く、コラボ楽曲リリースしている。シンガー /ソングライター/パフォーマー/ モデルとして、自身の世界観を表現していくクィア・アイコン。


・HIMAWARI



曇りがかかった空中を浮遊するようなミニマルなフィーリングとアブストラクトでポリリズミックなサウンドを織り交ぜるスタイルを持ち味に全国各地に多くのファンを持つカルチャーアイコンである。

原宿キャットストリートの老舗ショップとして知られるCannabisのディレクターとしても活躍しており、東京の音楽シーンとさまざまなカウンターカルチャーから常に支持の厚い女性アーティストである。


・Joe Cupertino



カリフォルニア州クパチーノ出身の日本人ラッパー/トラックメイカー。

2019年より活動を開始し、2021年には自身のファーストアルバム「CUPETOWN」、2022年にはセカンドアルバム「SAD JOE AID Ö」をリリース。

同作品の先行リリース楽曲である「DOOR」は楽曲のクオリティと共にジャケット・デザインを「ひゃくえむ。」、「チ。-地球の運動について-」などで知られる漫画家 魚豊が手掛け話題となる。

音楽番組での活躍を期待される注目ラッパーとして特集されるなど、その勢いは止まらず、2023年四ヶ月連続配信シングルをリリースしている。

幼い頃から音楽に対しての愛が深く、それを還元するために自ら制作を始めた。海外での生活の経験も経て、人一倍いろんな文化に触れている分、様々な観点から日本語と英語を駆使した独特なフロウでラップをする。


・Luby Sparks



Natsuki (ba/vo)  Erika (vo)  Sunao (gt)  Tamio (gt)  Shin (dr)。

2016年3月結成。2018年1月、Max Bloom (Yuck) と全編ロンドンで制作したデビューアルバム「Luby Sparks」を発売。2019年9月に発表したシングル「Somewhere」では、Cocteau TwinsのRobin Guthrieによるリミックスもリリースされた。

2022年5月11日にMy Bloody Valentine、Rina Sawayamaなどのプロデュース/エンジニアを手掛けるAndy Savoursを共同プロデューサーに迎え、セカンド・アルバム「Search + Destroy」をリリース。同年6月には、初のワンマンライブ「Search + Destroy Live」(WWW X) も行い、ソールドアウトとなった。

10月にはタイ・バンコクでの海外公演を行い、2023年3月17日より、NY、ボストン、フィラデルフィア、サンフランシスコ、シアトル、サンディエゴ、LAの全7都市にて「US Tour 2023」、9月には中国「Strawberry Music Festival 2023」を含む全7都市「China Tour 2023」、10月には韓国のストリートカルチャー・コンベンション「FLOPPY 1.0 - Let’s FLOPPY」、11月にはインドネシア「Joyland Festival」へ出演を行うなど海外での展開も積極的に行なっている。現在の最新作は2024年5月にリリースする4曲入りEP「Songs for The Daydreamers」。


・N² (Kyundesu)



DJ・次世代型パーティ「きゅんです」の主催者。カリフォルニア育ちの、原宿ガール。VOGUE JapanやDAZEDに取り上げられて注目を浴び始め、東京をはじめヨーロッパ、アジア、アメリカなど世界周でDJとして活躍中。DJプレイを通して、各地にNEO-TOKYOのキュンをお届け。2024年2月に1st シングルの「kyundesu」をリリース。


OKAMOTOREIJI (OKAMOTO’S)



1991年生まれ、東京都出身。

中学校の同級生で結成された4人組ロックバンドOKAMOTO'Sのドラマー。

デビュー当時は年間平均100本を超えるライブを展開し、海外公演等も積極的に実施。

2023年11月からはロックバンドながら、異色ともいえるトークとアコースティックをメインとしたTour「出張!オカモトーク Acoustic/Talk Tour 2023-2024」を開催。

2024年1月31日にはTVアニメ『アンデッドアンラック』 第2クールエンディングテーマ曲「この愛に敵うもんはない」をリリース。

ソロ活動としては、2022年秋に映画「もっと超越した所へ。」に本格演技初挑戦として出演するなど、メジャーシーンで活躍する一方、DJやエキシビション「YAGI EXHIBITION」の主催も務める


・(sic)boy



オルタナティブ、エモ、ラウドロックの要素やメロディアスなフローをヒップホップに落とし込んだスタイルで稀有な存在感を放つ(sic)boy( 読み:シックボーイ)

1stアルバム『CHAOS TAPE』は東京をテーマに独自の世界観とジャンルレスなサウンドから“ジャンル東京”と称され国内外から注目を集め、2023年にはVERNON(SEVENTEEN)らを客演に迎えたメジャー1stアルバムをリリース。


・Yohji Igarashi



Producer/TrackMaker/DJ


ラッパーHIYADAMのメイン・コンポーザーを務める他、これまでに様々なアーティストへの楽曲提供・Remixを行う。自身名義での楽曲リリースも行っており、これまでに4枚のEPを発表。2022年5月には、アメリカを拠点とする、アジアのカルチャーシーンを世界中に発信するメディアプラットフォーム<88rising>より、新しい学校のリーダーズ(ATARASHIIGAKKO!)「PineappleKryptonite(YohjiIgarashiRemix)」を全世界リリースした。

2023年8月にHipHopクルー<CreativeDrugStore>に所属するラッパー/プロデューサーJUBEEとのコラボレーションEP「electrohigh」をリリースし、全国6箇所を巡るツアーを敢行する等、幅広く活動。

2024年5月には"NEWHIPHOUSE”を提示した、HIYADAMの2ndアルバム「CaptureLand」を全15曲プロデュース。DJとしてもクラブを中心に数々のイベントでプレイしており、<ULTRAJAPAN2022>への出演や、AAAMYYYバンドのメンバーとして<FUJIROCKFESTIVAL'21>にも出演を果たす。


Loma
©︎Emily Cross


テキサスのオルタナティヴロックバンド、Lomaはニューシングル「Pink Sky」を公開した。Sub Popから6月28日に発売される『How Will I Live Without a Body?』の最新シングルとなる。この曲はアンニュイなトリップホップ風の音の運びから、クラリネットや実験的なストリングスの音響が押し広げられ、アンビバレントなアトモスフィアに充ちた奇妙な音楽空間を生み出す。多くの楽器を使用出来なかったという限定性は、むしろロマの音楽の想像力を広げる役割を果たした。

 

先行公開されたリードシングル「How It Starts」に続く作品で、サブリナ・ニコルズ監督によるミュージック・ビデオも同時に公開されています。ミュージック・ビデオについては以下よりご覧下さい。


「このお茶目な小さな曲は、アルバムに遅れて追加された。イギリス南部の寒々とした白壁の部屋で録音したんだけど、最初はナイロン弦のギター、2ピースのドラムセット、カシオのキーボード、クラリネットだけで、楽器はあまり持っていなかった。でも、その挑戦が好きだった」

 

Lomaの新作アルバム『How Will I Live Without a Body?』はトリオのセルフ・プロデュースで、イギリス、テキサス、ドイツと三カ国にわたってレコーディングされた作品である。ダン・ダジンスキーがミックスし、ニューヨークのスターリング・サウンドでスティーヴ・ファローンがマスタリングを担当。全曲がグループによって作曲され、ユニークなAIの助言もあったという。


 
『How Will I Live Without a Body? 』は、パートナーシップ、喪失感、再生を意味していて、そして、私たちは孤独だという感覚との戦いについて歌った、ゴージャスで、ユニークで、奇妙なほど心安らぐアルバム。多くの曲には、落ち着きのないパルスの感覚がリアルに感じられる。表情のない登場人物たちが、出会いと別れを繰り返しながら漂い、絡み合ったり離れたりする。土臭く、オーガニックで、人間味にあふれ、クロスのクールでクリアな歌声に支えられている。

 

 

 「How It Starts」

 Dehd 『Poetry』




Label: Fat Possum 

Release:05/10/2024

 

 

Review 

 

三人組のシカゴのオルタナティヴロックバンド、Dehdは表向きのイメージとは異なり、Beach Fossils、Real Estate、DIIVのフォロワー的な存在。彼らのインディーロックのニュアンスは現在のUSスタイルに合致しており、Packs、Why Bonnie、Wednesdayといった良質なオルタナティヴの系譜にあると言えそう。

 

端的に言えば、サーフミュージックをオルタナティブロックに絡めるというスタイルは、ビーチ・フォッシルズのデビュー当時の音楽性を想起させることがある。特に、伝説的なギタリストDick Daleの影響を思わせる古典的なサーフミュージックの性質は、稀に、ダン・キャリーが手がけるWet LegやRoyal Otisのようなライトで緩い感じのポストパンクに近くなる瞬間があって素晴らしい。超越性や完璧性を追求するのではなく、少し砕けた感じのオルタナティヴロックに親近感を持つリスナーは少なくないはず。古臭いといえばそれまでだが、オープナー「Dog Days」には三人組のほとばしるような青さが親しみやすいロックソングという形で展開される。

 

Dehdの作り出すインディーロックソングはどことなくノスタルジックな気分に浸らせてくれる。続く「Hard To Love」、「Mood Ring」はアルバムの序盤のハイライトで、シンガロングのフレーズとエバーグリーンな感じが掛け合わされ、軽快なイメージを持つロックソングが作り出される。


Dehdのギターサウンドは、ごく稀に轟音のフィードバックを活かしたシューゲイズのディストーション/ファズに縁取られることがある。「Necklace」はそれらをちょっとルーズな感じのアメリカーナと融合させている。ダウナーなボーカルも表面的なイメージとは異なり、渋みと深みを生み出す。ボーカルにはLou Reedからの影響が感じられ、アメリカのオルタナティヴの原点を思い出させてくれる。それらが、Real Estate,Beach Fossilsが2010年代頃に確立したアルトフォークやサーフミュージックからの影響を絡めたロックソングを継承するような形で展開される。


もう一つのDehdの長所としては、曲ごとにメインボーカルが切り替わり、そのことが作風にバラエティ性をもたらしていること。「Alien」では三者三様のボーカルがアンセミックに掛け合わされ、バンドの一体感を生み出される。これがより強固なイメージを持つ音楽となれば理想的かもしれない。


続く「Light On」は、Violent Femmesを彷彿とさせるコアな音楽的なプローチを選び、ルーズかつ緩い感じのロックソングへと昇華させている。サビでのアンセミックなフレーズは親しみやすさがあり、それらの音楽的なストラクチャーを乾いた質感のあるシンプルなドラミングが補佐している。最もバンドのきらめきを感じさせるのは、ボーカルのフレーズにディストーションギターが溶け合い、純粋なエモーションを生み出す時だろう。さらに「Dist B」では、表向きから見えづらい形でボーカルのちょっとキュートなイメージが醸し出される。そこには、バンドによるセンチメンタルなエモーションの奔流を捉えることが出来る。拙さや弱さ、あるいは音楽が未完成であることは、時にバンドの強みになることがある。これらのマイナスの側面から生み出される純粋さは、経験豊富なベテランバンドにはなかなか生み出しがたい空気感でもある。

 

もしかすると、音楽的な知識の豊富さ、実際的な演奏技法の多彩さ、アウトプットの広範な選択肢を持ち合わせているかどうかは、Dehdの少しだけ斜に構えたクールな音楽を聴くかぎり、良い音楽を制作する際にそれほど重要なことではないのかもしれない。つまり、彼らは、対外的に言うべき言葉を内側に持っていて、ロックソングに乗せてシンプルに吐露しているに過ぎない。また、そういったもどかしい感じは若い年代のロックバンドを聴く時の醍醐味でもある。


「Knife」、「So Good」では、ややアヴァン・ポップのような音楽性が見え隠れしており、こういった音楽性が今後どのように変化していくのか、楽しみにしていきたいところである。しかし、中盤を過ぎても、相変わらず、Dehdは少し緩く着崩した''洒脱''ともいうべき軽妙な感覚に充ちたロックソングを提示している。「Don't Look Down」では、ビーチフォッシルズの最初期のライトな質感を持つ爽やかなロックが古典的なサーフミュージックと融合を果たす。そしてやはりシンプルなギターのアルペジオの合間を縫うようにして歌われるエバーグリーンなボーカルが良い雰囲気を生み出す。それに加わるビーチ・ボーイズ風の純粋なコーラスワークも良い感じ。歌詞についても、「愛はあなたの周りあるのだから下を向かないで」というビネットが心に残る。

 

ひとつだけ難点を挙げるとするなら、多少、これらの曲は終盤において少しバラエティの乏しさや作り込みの甘さを露呈する瞬間もあること。ただ、ローファイな質感を持つ「Magician」は彼らの魅力の一端が表れていると言える。最も興味を惹かれるのは、クローズトラックにおいて、瞑想的な響きを持つサーフ音楽をベースに新しいオルトロックのスタイルを構築していること。また、トリオの音楽にはスケーターパンクからのフィードバックを感じるときがある。

 

 

 

76/100

 
 
 

 Best Track-「Don’t Look Down」

 

Luna Li


韓国系カナダ人のシンガーソングライターでマルチ・インストゥルメンタリストのLuna Li(ルナ・リー)が、セカンド・アルバム『When a Thought Grows Wings』を8月23日にIn Real Life/AWALからリリースする。『Duality』に続くこのアルバムでは、アンドリュー・ラッピンとモンソンがプロデュースを担当している。リード曲「Confusion Song」は以下よりご視聴下さい。


リーはプレスリリースで「Confusion Song」について、「この曲は、別れた後に私の心が経験した意識の流れ。リーは、8年間連れ添ったパートナーと別れ、トロントの家族や友人と別れてロサンゼルスで再出発した後、新しいアルバムを制作した。”When a Thought Grows Wings(思考が翼を生やす時)”とは、アイデアが形になっていくこと、つまり、思考の小さな種から現実の具体的な行動へと変化していくことを意味しています」と彼女はコメントしている。

 

 

 「Confusion Song」

 

 

 

 

Luna Lee 『When a Thought Grows Wings』



 

Label: In Real Life / AWAL

Release: 08/23/2024 


Tracklist:


1. Confusion Song

2. Fantasy

3. Minnie Says (Would You Be My)

4. Golden Hour

5. I Imagine

6. Enigami

7. That’s Life

8. I Would Let You

9. Take Me There

10. Fear is an Illusion!

11. Bon Voyage

 

©Samantha Tellez

シカゴのDIYのコミュニティから登場したボリヴァイナル所属のロックシンガー、Squirrel Flower(スクイレル・フラワー)はニール・ヤング&クレイジー・ホースの「Cortez the Killer」のカヴァーを公開した。スクイレル・フラワーは、ニール・ヤングの1975年のアルバム『Zuma』の収録曲をオースティンのCheer Up Charliesでの3月15日のライブでカバーし、レコーディングした。

 

このシングルには複数のミュージシャンが参加している。その中には、アレクサローンのアレックス・ピーターソン、グレッグ・フリーマン、ホース・ジャンパー・オブ・ラブのディミトリ・ジャンノポラス、トゥルース・クラブのトラヴィス・ハリントンのギター、マイケル・カンテラのベース、そしてティーテのカイ・ワイルドのドラムが含まれている。試聴は以下から。


「あの週、テキサスで私たちを取り囲んでいたファシズムの中で、コミュニティの力を感じる方法として、友人と『Cortez』をカバーすることにしました」とウィリアムズは声明で説明した。

 

「私はニール・ヤングと彼の妥協のない信念が大好きだから、起こっているすべての現象に対して表現できると思いました。ショーの前日に思いついた。アレックスが練習場所を提供してくれ、何度か練習した後、ディミトリとグレッグが当日クルーに加わった。すべてを出し切った。ニールの言葉を借りれば、"この人たちとこのステージに立てたことは、私の人生の喜びのひとつ”」



「Cortez the Killer」


2023年、英国のアートパンクグループ、Benefits(ベネフィッツ)は、Portishead(ポーティスヘッド)の中心人物、Jeff Barlow(ジェフ・バーロウ)の主宰するレーベル、Invada Records(インヴァダ・レコーズ)から鮮烈なデビューを果たした。


ベネフィッツは、ミドルスブラで結成され、ボーカル/フロントマンのキングズレー・ホールは大学卒業後、美術館に勤務したのち、ベネフィッツを立ち上げる。当初、彼等は、ジェフ・バーロウに才能を見出してもらいたく、Invadaの本拠であるブリストルから車で数時間をかけてギグを見に来てもらったというエピソードもある。キングスレーは当時のことについて、自分たちのアピールは多少、誇張的であったかもしれないと回想している。しかし、少なくとも、彼等はシングルのリリースを一つずつ積み重ねながら、着実にステップアップを図ってきたイメージがある。Invada Recordsとの契約は彼らが積み重ねきたものの先に訪れた当然の帰結でもあった。


今、考えると、ベネフィッツはどこにでもいるありきたりのパンクバンドではなかった。彼等は、デビュー当時から荒削りなポストパンクを発表してきた。英国の古典的な印象を込めたシングルのアートワークも、バンドの存在感を示すのに一役買った。彼等は徐々にポストパンクの中にノイズを追加するようになり、ミドルスブラの都市生活に見出されるインダストリアルノイズに触発され、ライフスタイルやカルチャーという観点から独自の音楽体系を構築するに至った。


デビューアルバムのリリースが発表された時、キングズレーさんはベネフィッツの音楽が”パンクではない”とファンに言われたことに対して不満を露わにしていた。しかし、おそらく彼等の考えるパンクとは、判で押したような形式にあるわけではない。時には、エレクトリックの中にも、スポークンワードの中にも、アンビエントの中にもパンクスピリットは偏在している。要するにパンクという性質は、ファッションに求められるのではなく、スタンスやアティテュードの中に内在する。彼はそれをみずからの経験を活かし、ニューヨークの現代美術家であるジャクソン・ポロックのアクション・ペインティングさながらに、スポークンワードを画材とし、音楽という無形のキャンバスに打ち付ける。彼のリリックの中に整合性を求めるのは野暮である。それはポロックの絵画に''どのような意味があるか''という無益な問いを投げかけるようなもの。キングスレーは、その時々、ふさわしい言葉を駆使し、効果的なフロウを構築してゆく。喩えるなら、それは古典的な英国の詩人が時代を経て、相異なる表現者として生まれ変わったかのようだ。


『Nails』は、当サイトの週末のアルバムとしてご紹介しましたが、コアな音楽ファンの間で話題沸騰となり、ベネフィッツはClashが主催する教会でのギグへの出演したほか、結果的には、英国最大級の音楽フェス、グラストンベリーにも出演を果たし、バンドとしての影響力を強める要因となった。ちょうど一年前、『Nails』を最初に聴いたときの衝撃を未だに忘れることが出来ない。そして、実際、今聞いても、あのときの最初の鮮烈かつ衝撃的なイメージがよみがえるかのようだ。


デビューアルバム『Nails』は以前に発表された単独のシングルをあらためてフルレングスのアルバムとして録音しなおし、複数の新曲を追加録音。この録音は、ベネフィッツの出発となった「Warhouse」、「Shit Britain」、「Empire」、「Traitors」を中心に、全収録曲がシングル曲のようなクオリティーを誇り、スタジオの鬼気迫る雰囲気をレコーディングという形で収録している。


一触即発の雰囲気があり、次に何が起こるかわからない、驚きに充ちた実験音楽が最初から最高まで続く。取り分け、圧巻なのはクローズ「Counsil Rust」であり、ベネフィッツはノイズアンビエントとスポークンワードを鋭く融合させ、未曾有のアヴァンギャルド音楽を生み落とした。キングスレーの怒りに充ちたボーカルは、ドラムフィルを集めたクラスターの録音、スポークンワードスタイルのラップ、エフェクターとモジュラーシンセの複合からもたらされる無尽蔵のインダストリアルノイズの応酬、さらには、New Order、Portisheadの次世代のバンドとしてのエレクトロニック等と掛け合わされて、孤高と言うべき唯一無二のサウンドを作り上げる。

 

春先にデビューアルバムをリリースしたあとも、ベネフィッツは順調に活躍しており、国内やヨーロッパでのギグを行いながら、忙しない日々を送っている。昨年10月には、元Pulled Apart By Horsesのギタリストでエレクトロニック・ミュージシャンに転身したJames Adrian Brown(ジェームス・エイドリアン・ブラウン)との共同名義でのリミックス「Council Rust」 を発表した。


2024年最初のリリースは、音楽界の巨匠であり、アーティスト、エンジニアでもあるスティーヴ・アルビニへの追悼曲である。先日のシカゴの名物エンジニアが死去したという訃報を受けてから数時間のうちに、ベネフィッツのキングスレーは、James Adrian Brownとのコラボレーションを行うことを決めた。両者が計画したのは、アルビニの楽曲を自分たちのテイクで再録音するものであり、キングズレーとジェイムズによるShellacの名曲「The End of Radio」の新しい解釈は、ホールの挑発的で感動的なヴォーカルとブラウンのサウンドスケープを劇的に融合させたものである。ここには『Nails』を”fuckin cool"と絶賛したアルビニに対するリスペクトが凝縮されている。


このニュースとコラボレーションを振り返り、ジェームス・エイドリアン・ブラウンは次のように語っている。


「アルビニは10代の僕に道を切り開いてくれました。これほどサウンド的に心地よく、興味をそそるものを聴いたことがなかった。初めてShellacを聴いたときのことは忘れられません。キングズレーとカヴァーをするというアイデアは、基本的にセラピーのようなもの。彼の作品に万歳!! RIP、アルビニ」


一方、ベネフィッツのキングスレー・ホールはアルビニの死去について次のように回想している。


「彼の芸術性、エンジニアリング、音楽業界内外のナビゲートという点で、計り知れないインスピレーションを与えてくれた。彼がツイッターのいくつかの騒々しいビデオを通じて、ベネフィットを支え、励ます存在になったことは、予想外であったと同時に驚きだった。真の天才でした」


このカバーシングルのダウンロード・セールスの全収益は、スティーヴ・アルビニの妻の慈善団体である'Letters to Santa'に寄付されます。ぜひ、Bandcampでその詳細を確認してみて下さい。

 

 


James Adrian Brown featuring Benefits 「The End of The Radio」

 

 

 



 

©︎Netti Habel

ポーティスヘッドのベス・ギボンズが、待望のソロ・デビュー・アルバム『Lives Outgrown』を金曜日にリリースする。「Love Changes」は、壮大かつ哀愁を帯びた、ベスの曲に求めるものすべてを詰め込んだようなナンバー。 またインディーフォークを基調とした美しい曲でもある。


彼女は、このシングル曲のなかでストリングスのテクスチャに相対して、「私たちはみんな一緒に迷っている/私たちはお互いを騙している...。私たちは努力するけれど、説明できない/私たちはあるフィーリングを引き受けた/輝く瞬間/そして、ゲームは何だと言った」と歌っている。


ベス・ギボンズの新作アルバムは、最初の発表時に説明されていた通り、大掛かりな音楽や装置や舞台ではなく、ギボンズがミュージシャンとして、あるいは独立系のアーティストとして今、何が出来るかを考えたというものである。『Lives Outgrown』はタイトルにも見える通り、ミュージシャンだけにとどまらず、家庭人としての人生も部分的に反映されているのかもしれない。こういったアウトプットについては、男性よりも女性の方が向いているという気がする。女性は人生の節目で現実を見つけるが、男性は現実という名の幻想の中に生きる生き物なのだ。

 

当初は、大きな希望を叶えることが人生の醍醐味であると考えていたギボンズであるようだが、年を重ねるにつれ、それらの中にはどうにも出来ない問題や弊害も存在することが分かる時がある。若い時代に抱いていた希望の多くが幻想だったかもしれず、しかし、それは諦観とも言いがたい、納得や安堵に近い感情へと変遷していくものである。なんらかの出来事に打ちひしがれたことのない人々にとっては、あまりに救いのないようなことに思えるかも知れないが、しかし、それは同時に納得出来るポイントを見出したという、明るい意味も含まれている。

 

人生とは、結局のところ、無数の選択肢のなかで、自分や周囲との関係の中で頷けるポイントを見つけるということである。ギボンズの場合は、自分自身や人生に正直であるということだった。そのことに関してギボンズは言う。「希望のない人生がどんなものかを悟りました。それは、私が感じたことのない悲しみでした。以前は、自分の未来を変える能力があった。でも、自分の体に立ち向かっているとき、その体がやりたくないことをさせることはできなかった」 

 

このシングルには、いかなる人もいつかは体験するであろう不思議な感覚があり、浮き沈みのある人生や音楽的表現を経験したことに対して、ささやかな慈しみの眼差しが注がれている。そして、窓辺の向こうにゆっくり流れていく過去の自らの人生を見つめるような優しい感情に溢れている。それは忙しない人生の流れを止め、ほんの少しだけ時計の針を遅らせる効果がある。

 


「Love Changes」



今年のベス・ギボンズのツアーは5月27日のパリから始まり、スペイン/プリマヴェーラ・サウンドと日本/フジロックフェスティバル出演を含む。全日程(ヘッドライン公演はビル・ライダー・ジョーンズとの共演)は以下の通り。



Beth Gibbons – 2024 Tour Dates:


May 27 – La Salle Pleyel, Paris - SOLD OUT

May 28 – Theater 11, Zürich

May 30 – Primavera Sound Festival, Barcelona

May 31 – La Bourse Du Travail, Lyon – SOLD OUT

June 2 – Uber Eats Music Hall, Berlin

June 3 – Falkonersalen, Copenhagen

June 5 – TivoliVredenburg (Main Hall), Utrecht - SOLD OUT

June 6 – Cirque Royal, Brussels - SOLD OUT

June 9 – The Barbican Centre, London - SOLD OUT

June 10 – Albert Hall, Manchester

June 11 – Usher Hall, Edinburgh

July 27 – Fuji Rock Festival(フジロックフェスティバル), Niigata(新潟)

Le Makeup

 

大阪出身のアンビエント/ミニマル/インディR&B、ジャパニーズポップを経由したシンガーソングライター/プロデューサーLe Makeup。アブストラクトなポップスは旧来の系譜では語り尽くせないものがある。

 

彼は自身のレーベルPURE VOYAGEを運営する傍ら、LAのEternal DragonzやオーストリアのAshida Parkなど海外レーベル、大阪の人気レーベル、EM Recordsをリリースしてきた。これらのワールドワイドなリリース形態に加え、海外アーティストとのコラボを積極的に行い、カナダのプロデューサーRyan Hemsworthとの共作を発表している。その他、tofubeatsが監修した『電影少女』のオリジナルサウンドトラックへの参加。gummyboy、Lil Soft Tennis、NTsKi、Doveなどのアーティストへの楽曲提供・プロデュース・参加などで精力的な活動を行う。


2022年10月には、音楽制作にとどまらず、海外でのイベントにも出演するようになった。この一連の動向は、海外でのファンベースを広げる契機となった。韓国でのパフォーマンスを始め、11月にはオランダ・デンマーク・ドイツにてEUでツアーを行うなど、独自の動きに注目度が高まっている。2023年にリリースした「Odorata」は、Pitchforkで取り上げるられるなど話題に。


「Odorata」に続き、1年3ヶ月ぶりとなるアルバム「予感」は、ループギター/ピアノトラックを主体としたサウンドが表向きの印象となっている。ル・メイクアップは、ナラティヴな試みをいくつか新しく付け加えて特異な作風たらしめた。南大阪での日々の暮らしを自身のトラウマという観点から見つめ直した日本語内省フォーク・クラウドラップ/アヴァンフォーク集となる。


前作アルバムの完成後、すぐに制作に取り組んだという「予感」でシンガーソングライターがたどり着いたのはどこだったのか。久しぶりに手にしたアコースティックギターからインスパイアされたサウンド、自身をキャラクターを代弁するオートチューンのかかったボーカル。それから、従来の作品で自然にアウトプット出来たという悲しくも風通しの良い音楽だ。しかし、もしかすると、それは、アーティストの音楽の一部分を現したに過ぎないのかも知れない。

 

下記に掲載する個性的なアートワークは、Fujimura Familyが担当している。マスタリングは、海外のジャズ・シーンで著名なオノ・セイゲン(Saidera Mastering)が手掛けた。


先日発表となった初のワンマンライブ「予感」5月21日(火)WWWに続き、6月09日(日)地元・大阪編もLIVE SPACE CONPASSにて開催が決定しました。最速チケット先行受付が開始しています。アルバムの詳細と合わせて、イベント情報もぜひぜひ下記よりチェックしてみて下さいね。

 

 


Le Makeup「予感」- NEW ALBUM




Digital | PURE010 | 2024.05.15 Release

Released by AWDR/LR2

 

Pre-save/Pre-Add(配信リンク): https://ssm.lnk.to/Yokan_ 


Tracklist:

01. I Wish I Were a Fool

02. 26

03. 予感

04. 忘れられなくて

05. 雨上がり

06. あなたみたいに

07. 自由

08. 歩く

09. まぼろし

10. なんで

11. 天王寺

12. Boy feat. Dove


Lyrics & Music, Arranged by Le Makeup

(M.12) Lyrics by Le Makeup, Dove

Mixed, Produced by Le Makeup

Mastered by Seigen Ono (Saidera Mastering)

Guitar, Bass, Synthesizer : Le Makeup

(M.02) Chorus : Dove

Artwork by Fujimura Family





・Le Makeup、初のワンマンライブ「予感」開催決定

 



Le Makeup One-Man Live "予感" Tokyo



Date| 2024.05.21 [Tue] Open/Start 19:00/20:00

Venue| WWW (Shibuya, Tokyo)

Act| Le Makeup (Oneman Show)

Adv.| 3,000 Yen (Tax in) +1D

Door| 3,500 Yen (Tax in) +1D

Ticket| LivePocket [ https://t.livepocket.jp/e/lemakeup ]

Information| WWW [03-5458-7685]


ソロとバンドセットで2020年に出した「微熱」というアルバムの曲から新しく出す曲まで。もっと前の曲もやるかも。知ってる人も知らない人も、この日聞いてもらえたら自分がどんなこと考えてる(考えてた)のかわかってもらえる気がする。わかる必要があるのかは別として。


なにかを起こすとか、だれか救うとかは言う気はないですけど、5月21日WWWに来てくれたら僕がパフォーマンスしてると思う。それだけは約束したい。こんな機会待ってたから嬉しい。楽しみです!!



・Le Makeup One-Man Live "予感" Osaka



Date| 2024.06.09 [Sun] Open/Start 17:30/18:00

Venue| LIVE SPACE CONPASS (Shinsaibashi, Osaka)

Act| Le Makeup (Oneman Show)

Adv.| 3,000 Yen (Tax in) +1D

Door| 3,500 Yen (Tax in) +1D

Ticket| e+ [ https://eplus.jp

 

オフィシャル最速先行(先着)2024.05.15 [Wed] 18:00〜2024.05.24 [Fri] 23:59

 

Information| YUMEBANCHI [06-6341-3525]


WWWに続いて、大阪でも『予感』のリリースライブを行います。アルバムは大阪で大阪のことを書いたから大阪の街を歩いてから聞くと、少し違って聞こえるのかなとか思ってます。CONPASSもいつも飲みに行ってる場所だし。歌に関しても自分が関西弁じゃなかったら違う曲が出来てるだろうし。そんな風に自然に出来たアルバムだし...。とにかく...お待ちしています!!



Le Makeup Biography:

 

大阪出身のシンガー/プロデューサー。関西学院大学在学中に作曲へと本格的に取り組み、以降国内外のレーベルから作品を発表。2020年、アルバム「微熱」をリリース。以後、アジアやヨーロッパツアーを行い、中国・韓国・オランダ・デンマーク・ドイツでもパフォーマンス経験がある。

 

2023年2月には、Dove、gummyboy、JUMADIBA、Tohji、環Royが参加したフルアルバム「Odorata」をリリース。このアルバムは、Pitchfork誌で紹介され、少なからず話題を呼んだ。

 

Le Makeupはニューアルバム「予感」を2024年5月15日にリリース。アルバム発売記念のライブを予定している。5月21日にWWW(東京)、6月09日にCONPASS(大阪)にて初のワンマン「予感」を行う。

 

Joe Cupertino
Joe Cupertino

古今東西、様々な音楽ジャンルを越境する、カルフォルニア出身のバイリンガルMC、Joe Cupertino(ジョー・クペルティーノ)が【再生】をテーマにした新作アルバム「RE:」を発表した。(昨年、ご本人から直接プレスリリースを送ってくれたことがありました。ありがとうございます!!)


昨年、Joe Cupertino(ジョー・クペルティーノ)はスタジオに複数のドラムをセットし、実験的なサウンドを実験的に試みていた。確かにそれらの先鋭的でアヴァンギャルドな作風も魅力ではあったが、最新のシングルでは音楽性に劇的な変化が見受けられる。

 

少なくとも、新作アルバムのリードシングルでは、西海岸のチルウェイヴの代表格、チャズ・ベアことToro y Moi(トロイ・モア)を思わせるチルウェイブを意識したライトな作風に転じている。そのことを象徴付けるのが、鈴木真海子(chelmico)をfeat.した先行シングル「わがまま feat. 鈴木真海子」となる。どことなくノスタルジックなトラックに乗るボーカルは、わがままという本来自分本位な感情が年を重ねるにつれて減っていくことを表現しているという。ある意味では、この曲は新しいJ-POPのスタイルが示唆されているようにも思える。


Joe Cupertionoの新作アルバム「RE:」は6月19日にAWDR/LR2から発売される。ミックス/マスタリングは、盟友T-Razorが担当している。アートワークは、Satoshi Hori。アーティスト写真は、Yohji Uchidaが手がけた。

 


鈴木真海子(chelmico)
鈴木真海子(chelmico)



・Joe Cupertino「わがまま feat. 鈴木真海子」ーNEW SINGLE


Joe Cupertino「わがまま feat. 鈴木真海子」


Digital | JCP-002 | 2024.05.15 Release

Released by AWDR/LR2

 

Pre-save/Pre-add (配信リンク): 

https://ssm.lnk.to/Wagamama


Lyrics : Joe Cupertino, 鈴木真海子 / Music : T-Razor

Mixed and Mastered by T-Razor


アメリカ生まれのバイリンガルMC【Joe Cupertino】の【再生】をテーマにした新作「RE:」が6月19日にリリース決定。

 


・Joe Cupertino「RE:」- NEW ALBUM


Joe Cupertino「RE:」- NEW ALBUM


Digital | JCP-005 | 2024.06.19 Release

Released by AWDR/LR2 


PRE-ADD/PRE-SAVE(配信リンク): 

https://ssm.lnk.to/RE_



Joe Cupertino Biography:


カリフォルニア州クパチーノ出身の日本人ラッパー/トラックメイカー。2019年より活動を開始し、2021年には自身のファーストアルバム「CUPETOWN」、2022年にはセカンドアルバム「SAD JOE AID Ö」をリリース。

同作品の先行リリース楽曲である「DOOR」は楽曲のクオリティと共にジャケット・デザインを「ひゃくえむ。」、「チ。-地球の運動について-」などで知られる漫画家 魚豊が手掛け話題となる。

音楽番組での活躍を期待される注目ラッパーとして特集されるなど、その勢いは止まらず、2023年四ヶ月連続配信シングルをリリースしている。

幼い頃から音楽に対しての愛が深く、それを還元するために自ら制作を始めた。海外での生活の経験も経て、人一倍いろんな文化に触れている分、様々な観点から日本語と英語を駆使した独特なフロウでラップをする。

 

Jessica Boudreaux
Kait De Angelis

元Summer CannibalsのJessica Boudreaux(ジェシカ・ブドゥー)が、ニューアルバム『The Faster I Run』を発表した。このアルバムは7月19日にPet Clubからリリースが予定されている。

 

リードシングル「Back Then」は、Karlee Boonが監督したミュージック・ビデオと共に配信れた。そのソングライティングは、Bully、Blondshell、Margaret Glaspyに代表される女性シンガーのギターロックの系譜にあるが、上記のアーティストに比べると、オルタナティヴ寄りの作風である。その中にはエバーグリーンなエモーションを読み取ることもそれほど難しくない。


Jessica Boudreaux(ジェシカ・ブドゥー)は『The Faster I Run』のレコーディングとプロデュースを自身のPet Club Studioで行った。「Summer Cannibalsに在籍していた時よりも、今の方が自分自身についてより多くのことを知っているし、従来にはなかった自分自身の様々な部分に突然アクセスできるようになったので、書くのがエキサイティングだった」と彼女は説明している。「どの曲も癒しのために必要であって、純粋に、物事を解決するために最も音楽に頼った曲でもある。レコード全体が、全く新しいレンズを通して私の過去を回顧している」

 

 「Back Then」

 




Jessica Boudreaux 『The Faster I Run』



Label: Pet Club

Relase:  07/19/2024


 Tracklist:


1. Back Then

2. Be Somebody Else

3. Doctor

4. Exactly Where You Wanna Be

5. Main Character

6. Suffering

7. Put Me On

8. Sweetest Fruit

9. Cut and Run

10. Smoke Weed

11. Something In My Gut

12. You’ll Say It Was Fun

 

Colin Stetson

 

近頃、スタジオ・ミュージシャンや大物ミュージシャンのサイドプロジェクトのコラボレーターとして活躍していた音楽家がスポットライトを浴びるケースがある。サックス奏者、コリン・ステットソンもその事例に当てはまる。ミシガン大学を卒業後、彼はプロのスタジオ・ミュージシャンとして活躍した。その中には、Bon Iver,The National,Arcade Fireの作品への参加も含まれている。

 

コリン・ステットソンの『The love it took to leave you』は9月13日にエンヴィジョン・レコードから発売される。サックス奏者兼作曲家のソロ・レコーディングは実に2017年ぶりとなる。アルバムのタイトル曲は以下からご視聴下さい。霊的なシンセテクスチャーに合わせてステットソンは味わい深いサクスフォンの演奏を披露する。アヴァンジャズという切り口を通して。


「最新アルバムのタイトル曲"The love it took to leave you "はアルト・サックスで演奏される。自分自身と孤独、そして風雨に揺れ軋む背の高い老木へのラブレターです」とステットソンは声明で説明している。

 

『The love it took to leave you』は、2023年初頭の1週間、モントリオールのダーリング鋳物工場でレコーディングされた。ステットソンは次のようにコメントしている。「普段私がアンプリファイするのと同じライブ・セットアップ、つまり建物のスペースにフルPAを使ったので、私が動かせるような空気を本当に動かすことができた。そして、さらに肉付けしていった」


「その本質は私自身なんだ。私がやっていることは個人的なことでもある。私の身体と技術的な能力は進化し続けているから、次のレコードを作るたび、今しか演奏できないことがあるんだ」




「The love it took to leave you」




Colin Stetson 『The love it took to leave you』


Label :Envision Records

Release:09/13/2024

 

 Tracklist:


1. The Love It Took To Leave You

2. The Six

3. The Augur

4. Hollowing

5. To Think We Knew From Fear

6. Malediction

7. Green And Grey And Fading Light

8. Strike Your Forge And Grin

9. Ember

10. So Say The Soaring Bullbats

11. Bloodrest

Dora Jar

 

オルトポップ・アーティストの北カルフォルニアのDora Jarことドーラ・ジャーウスキーが、2024年最初のリリースとなるニューシングル「She Loves Me」を発表した。シンガーはベッドルームポップの注目アーティストとして紹介される場合が多いが、少なくともその音楽のニュアンスに、エクスペリメンタルやアヴァンな香りを感じ取る敏いリスナーは多いのではないか。

 

「She Loves Me」は、ドーラの内面にある2つの側面、つまりグループの中にいる自分と1人でいる自分との対話を表している。付属のミュージック・ビデオ(実際の出来事にインスパイアされ、エリカ・スナイダーが監督した)では、ドーラはベルリンのアパートのパーティーで、友人や見知らぬ人たちの中でタオル一枚で踊りながら、公的な自分と私的な自分との境界線を曖昧にしている。一連の暴露療法的な方法の中で、本質的な音楽のニュアンスを見つけるという手法である。また、それは今まで知らなかった自己やそのペルソナとの出会いを意味する。


「この曲は、私がなれたらいいなと思う女の子への頌歌なの」と、ドーラはこのシングルについて語っている。2月には、エクスペリメンタルポップ界の奇才アッシュニコ(Ashnikko)が、2023年のシングル「You Make Me Sick!」のリミックスにドーラを起用したことは記憶に新しい。

 

 

「She Loves Me」

 Lightning Bug 『No Paradise』


 

 

Label: Self Release

Release : 05/03/2024

 

 

Review   ライトニングバグの進化のプロセスを示す

 


通算4作目となるニューヨークのライトニング・バグの新作アルバム『No Paradise』は自主レーベルからのリリースとなる。

 

このアルバムは、旧来のバンドのカタログの中ではアヴァンギャルドな側面を示している。3年前までは、オルタネイトなフォークバンドというイメージもあったライトニングバグであるものの、この作品を聴いて単なる”フォークバンド”というリスナーは少ないかもしれない。つまり、この4作目のアルバムで、バンドは勇猛果敢にアートポップ/アート・ロックバンドへの転身を試みたと解釈出来る。これをバンドの進化と言わずなんと言うべきか。そして難解な謎解きのようなニュアンスもある一方、アルバム単位では最高傑作の一つになるかもしれない。そして、最初からすべてが理解出来るというより、聴くうちに徐々に聴覚に馴染んでくるような不思議な音楽である。

 

バンドの旧作のアルバムは、良い曲を集めたような感覚があり、それが一連の流れを持つことや躍動感を生み出すことは稀だった。それはバンドがフルアルバムという概念に絡め取られていたからなのか。少なくとも、このアルバムでは、オープナーとクローズに対比的な収録曲を配置し、コンセプチュアルな意図を設け、ボーカリストが話すように、「エッジの効いたサウンド」に昇華されている。考え次第によっては、従来はドリームポップやオルタナティヴフォークという、ある一定のジャンルを重視していた印象もあるライトニングバグが、いよいよそれらの通牒をかなぐり捨てて、より広大な世界へと羽ばたいたとも言える。

 

 

アルバムには冒頭の「On Paradise」を中心にカーペンターズの時代から受け継がれるバロック・ポップの要素が表面的なイメージを形作る。しかしながら、2021年までは古典的なポップスにこだわっていた印象もあったが、今回、それがモダンなイメージを擁するアートポップに生まれ変わった。

 

前衛的なサウンドプロダクションを見ると分かる通り、安定感のあるドラム、センス抜群のギター、そして、分厚いグルーブ感のあるベースによる強固なアンサンブルを通して、バンドという形で、エクスペリメンタルポップ/アヴァン・ポップを体現させようとしている。もちろん、ボーカリストを中心とする夢想的なエモーションや、美麗なメロディーが薄れてしまったというわけではない。例えば、「The Withering」を筆頭にして、オルタナティヴフォークとドリームポップという、旧来の活動で培われてきた二つの切り口を通じて、先鋭的な音楽性が示されたと言える。フローレンス・ウェルチやシャロン・ヴァン・エッテンの主要曲に見受けられる、物憂げを通過したゴシック的なエモーションが、エキゾチックな印象を形作り、甘く美しいメロディーのみならず、硬質な印象を持つ聞き応え十分の音楽性が作り上げられたのである。

 

正直、これらのポスト志向の音楽の進展はまだ完全な形になったとは言えない部分もある。しかし、それでも、#5「Opus」から続く数曲の流れは圧巻で、バンドの新たなベンチマークが示されたと言えるのではないでしょうか。特に『No Paradise』では、よりポスト・ロック/アート・ロックに近い実験的な音楽性に進み、緻密なアンサンブルやミックス/マスターを介して精妙かつ刺激的なサウンドが繰り広げられる。

 

「Ops」はニューヨークのオルタナティヴロックバンド、Blonde Redheadの作風を思わせるアヴァンギャルドな展開力を見せることがあり、2007年の『23』を彷彿とさせるアートポップ/アート・ロックの狭間にある異質な音楽性へと直結する瞬間がある。特にボーカルが消え、オーバードライブを掛けたベースとギター、そして、それを手懐けるドラムの巧みなスネア捌きには瞠目すべきものがある。音源という概念に絡め取られることが多かった印象のあるバンドは、リアリティを持つロックソングを制作し、結成10年目の真価を示そうとしている。

 

 

「Opus」

 

 

 

ライトニング・バグは、アルバムの制作を通じて、背後には目もくれず、未来へと少しずつ歩みを進めているように思える。そんななか、アンソロジー的な意味を持ち、一息つけるような安心出来る曲もある。現在、ストリーミング回数を順調に積み上げている「December Song」は、旧来のドリーム・ポップ/オルタナティヴ・フォークの中間域にある一曲として楽しめるはず。 そして、今回は、上品なストリングスが導入され、それがより開けたような響きをもたらしている。最新アルバムの中では、一番聞きやすい部類に入るナンバーとして抑えておきたい。また、アルバムの中盤と終盤をつなげる役割を持つ「Serenade」は、ボーカリストのトリップ・ホップの趣味を反映させた一曲で、これは従来のバンドの音楽性には多くは見られなかったものである。

 

古典的な音楽と最新の録音技術を駆使したアヴァンギャルド性の融合は、アルバムの終盤にかけて一つの重要なハイライトを形成する。ボーカル・ループから始まる「Lullaby For Love」と「Feel」は、連曲となっており、より大掛かりな音楽のアイディアが反映されている。オードリー・カンのボーカルを起点として、スリリングな響きを持つ巧緻なバンドアンサンブルを構築している。イントロでは、アイルランドフォークを思わせるライトニングバグのお馴染みのスタイルを披露し、それをポピュラーなバラードという形に繋げた後、「I Feel...」では、ミニマルミュージック、プログレッシヴロック、ポストロックに近いアヴァンギャルドな曲展開へと移行していく。

 

最終盤になっても、バンドのアイディアが尽きることはなく、それとは正反対に広がりを増していくような感覚がある。彼らは一つのジャンルに絡め取られるのではなくて、その時々の音楽を自由に表現しようとしている。このことは、バンドの将来の有望性を示しているのではないだろうか。メキシコからニューヨークへのバイク旅行の成果は「Morrow Song」に見いだせるかもしれない...。Touch & GoのCalexicoを彷彿とさせるメキシカーナをアートポップの側面から解釈しているが、この曲も従来のバンドの音楽性とは明らかに性質が異なっている。


最近のアメリカの主要なオルタナティヴロックバンドや、ソロアーティストと同じように、本作の終盤では、旧来のバンドのフォーク・ミュージックやポップスの音楽性を踏まえ、アメリカーナへの愛着が示されている気がする。とにかく素晴らしいと思うのは、バンドの音楽はスティールギターを思わせるお約束のギターフレーズが入っても、心なしかエキゾチックな響きを漂わせていることだろう。これは、バック・ミークやワクサハッチーの最近の曲と聴き比べると、違いが分かりやすいのではないだろうか。もっと言えば、ライトニングバグの音楽性には、アイルランドのLankumに代表される北ヨーロッパのフォークミュージックの色合いが込められている気がする。

 

 

 

86/100

 

 

 

 

Best Track-「December Song」

 

 

 

 

・Lightning Bug(オードリー・カン)のQ&Aのインタビューはこちらよりお読み下さい。

 

・Bandcampでのアルバムのご購入はこちらより。

 

Porches

ニューヨークのアーロン・メインによるレコーディング・プロジェクト、Porches(ポーチズ)が、6枚目のスタジオ・アルバム『Shirt』の発表に合わせてニュー・シングル「Joker」を配信した。

 

最近のアーティストは、通常ではためらうような主題をシンプルかつスマートに音楽の中に織り交ぜる。また、それは、日常生活では消化しきれないものであるため、重要な意味が求められる。ポーチズのニューアルバムも同様であり、『Shirt』は、アングスティなファンタジーで、告白的なメロドラマでもある。現実と作り物の間で揺れ動くロック・アルバムは、郊外の若者の無邪気さと、大人になってからの擦り切れた現実の両方を反映している。このアルバムは、自分の人格とペルソナの間の緊張感、つまり現実とぶつかり合う夢の重さをテーマに据えている。


ポーチズは秋の北米ツアーも発表し、10月にスタートし、11月7日のロサンゼルスのフォンダ・シアター、11月20日のブルックリン・スティールでの地元公演で幕を閉じる。この北米ツアーは、10月2日のロンドン・ヘヴン公演を含む、ポーチズのイギリス/ヨーロッパ・ツアーに続くものである。


『Shirt』は9月13日にDominoからリリースされる。ツアーのチケットは今週金曜日午前10時(現地時間)よりporchesmusic.comにて一般発売される。

 

 

 「Joker」

 




Porches 『Shirt』

Label: Domino

Release:  09/13/2024


Tracklist:


1. Return Of The Goat

2. Sally

3. Bread Believer

4. Precious

5. Rag

6. School

7. Itch

8. Joker

9. Crying At The End

10. Voices In My Head

11. USA

12. Music


Cassandra Jenkins

Dead Oceansとの契約を発表したばかりのCassandra Jenkins(カサンドラ・ジェンキンス)はこのレーベルの新たな看板アーティストに目され、エレクトロニックとポップスを融合させ、新しいフェーズへと進めるシンガーである。カサンドラ・ジェンキンスの楽曲は、エクスペリメンタルポップやアヴァン・ポップ、あるいはアートポップに該当すると思われるが、実際のトラックを聴くとわかるように、ジャンルという概念を超越した音楽的な表現性が含まれている。

 

カサンドラ・ジェンキンスの「Delphinium Blue」は、ダイナミックなスケールを持つアートポップソングである。シンセサイザーのシネマティックな背景を駆使し、ジェンキンスはそれを舞台の書き割りのように見立て、フローレンス・ウェルチのような壮大なスケールを持つポップネスを体現させる。その合間にスポークンワードも織り交ぜられている点を見るかぎり、ジェンキンスは現代のポップソングの最前線に歩み出ようとしている。シンガーは言語と花という二つの得難い概念を基に、最終的にそれを音楽というもう一つの語法として昇華させる。驚くべきことに、それは、フラワーショップの店員という個性的な仕事から得られた産物であった。


ソングライターが2021年に発表したブレイク・アルバム「An Overview On Phenomenal Nature」に続き、以後2年間にわたる大規模なツアーが開催された。スタジオに戻ったジェンキンスは、事実上、彼女を蝕んだアルバムの後を追う仕事を任された。この期間、ジェンキンスは精神的な疲弊を感じていた。しかし、傑出したアーティストにとって活力を取り戻す方法は、因果なことに、以前よりも良い曲を書き、みずからを納得させるということだった。


「デルフィニウム・ブルー」はカサンドラ・ジェンキンスを世界の構築者として包み込んでいる。この曲の制作についてのメモの中で、彼女はこう語っている。


「どこに向かえばいいのかわからなくなったとき、確実に美しいものを探すことがある。地元のフラワーショップの仕事に応募したとき、生存本能が働いたような気がした。その仕事は、私の人生で最も青かった時期を乗り切らせてくれた。花に囲まれていると、その重みに耐えるのが楽になるだけでなく、花と自分自身を十全に理解できた。花は私の潜在意識の言語となった。花々は、私が耳を傾けようと思えば鍵を握っているような、私の悲しみを運ぶポーターであり、気づきへの繊細なポータルであるような、すべてを知り尽くしているような質を帯びていた。

 

カサンドラ・ジェンキンスのアルバム「My Light, My Destroyer」は7月12日にリリースが予定されている。プロデューサー、エンジニア、ミキサーのアンドリュー・ラッピン(L'Rain, Slauson Malone 1)を含む、親密なコラボレーターと共に制作された。スラウソン・マローンはWarpに所属するエレクトロニック・プロデューサーで、最も先鋭的な作風で知られている。



「Delphinium Blue」