アイルランドの5人組ロックバンド、フォンテインズD.C.がニューアルバム『Romance』を発表した。『Romance』はXL Recordingsから8月23日にリリースされる予定で、Partisanからの移籍第一作となる。

 

バンドはアルバムのリードシングル「スターバースター」を配信した。「Starburster」のビデオはオーブ・ペリーが監督を務めた。アルバムのトラックリストとジャケットアートワークは以下の通り。


『Romance』はバンドにとって4枚目のアルバムで、2022年の『Skinty Fia』(UKとアイルランドのアルバム・チャートで1位を獲得)、2020年のグラミー賞ノミネート作『A Hero's Death』、2019年のマーキュリー賞ノミネート作『Dogrel』に続く作品となる。本作で彼らは初めてプロデューサーのジェームス・フォードと仕事をすることになる。


バンドはダブリンで結成されたが、現在はロンドンを拠点に活動しており、グリアン・チャッテン(ヴォーカル)、カルロス・オコネル(ギター)、コナー・カーリー(ギター)、コナー・ディーガン(ベース)、トム・コル(ドラム)が参加している。アークティック・モンキーズのメンバーとして、アメリカとメキシコをツアーしている間に、ニュー・アルバムのアイデアが生まれ始めた。その後、メンバーはしばらく別々の道を歩んでいたが、北ロンドンのスタジオで3週間のプリプロダクションを行い、パリ近郊のシャトーで1ヶ月のレコーディングを行った。


プレスリリースの中で、コナー・ディーガンはアルバムタイトルについて次のように語っている。

 

「私たちは常に理想主義とロマンスを抱いてきた。アルバムごとに、ドグレルと同じようにアイルランドというレンズを通して、その観察から遠ざかっていく。セカンド・アルバムはその離隔について、そしてサード・アルバムはディアスポラのなかに取り残されたアイルランドらしさについてだ。今、私たちはロマンチックであるために他に何があるのか、どこに目を向けている」


グリアン・チャッテンは、このアルバムのテーマを1988年の大友克洋監督の名作アニメ映画『AKIRA』と関連付けている。プレスリリースによれば、この映画では、「登場人物の周囲には技術的劣化と政治的腐敗の渦があるにもかかわらず、愛の炎が燃え上がる」のだという。


「"世界の終わりに恋に落ちる "ということに魅了された。このアルバムは、その小さな炎を守ることをテーマにしている。ハルマゲドンが大きく迫れば迫るほど、それはより貴重なものになるはずなんだ」


カルロス・オコネルはこう付け加えた。「このアルバムは、現実の世界と心の中の世界、どちらがファンタジーなのかを決めるためのものだ。どちらがより現実を表しているか。それは僕らにとってほとんどスピリチュアルなことなんだよ」

 

 

 「Starburster」



Fountaines D.C 『Romance』



Label: XL Recordings

Release: 2024/08/23


 Tracklist:


1. Romance

2. Starburster

3. Here’s the Thing

4. Desire

5. In the Modern World

6. Bug

7. Motorcycle Boy

8. Sundowner

9. Horseness is the Whatness

10. Death Kink

11. Favourite

METZ 『Up On Gravity Hill』 

 

 

 Label: Sub Pop

 Release: 2024/04/12

 

 

 Review

 

Metzは2012年のセルフタイトルで名物的なパンクバンドとしてカナダのシーンに登場した。サブ・ポップの古株といえ、ガレージロック、オルトロック、ポストパンク等をごった煮にしたサウンドで多くのリスナーを魅了してきた。『Up On The Gravity Hill』はデラックスアルバムを発表したからとはいえ、依然としてバンドが創造性を失ったわけではないことを表している。

 

シューゲイズ風の轟音ギターを絡めたオープニング「No Reservation/ Loves Comes Crashing」を聴けば分かる通り、本作は近未来のテイストを持つオルタナティブロックサウンドが展開される。

 

ボーカルのフレーズにはエモーショナルな雰囲気が漂い、バンドの年代としては珍しくエバーグリーンな空気感を作り出すことに成功している。その中に、UKの現行のポスト・パンクに類するオルタナネイトなスケール、ノイズ、不協和音が縦横無尽に散りばめられる。もちろん、バンドがそういったサウンドを志向していないのは瞭然であるが、抽象的なギターのフレージングと合わせて、オルト・ロックの無限のサイケデリアに誘う。少なくともこのオープニングは、本作のリスニングに際して、相応に良いイメージを与えるものと思われる。

 

同じく、エモとまではいかないけれども、「Entwined(Street Light Buzz)」においてオルタナティヴの源流を形作るカレッジロックやグランジの魅力を再訪し、上記のオープナーと同じように、トライトーンを用いたスケール、ノイズ、協和音の中に織り交ぜられる不協和音という形で痛快なインディーロックを展開させる。また、Nirvanaの「Love Buzz」のクリス・ノヴォセリックに対するオマージュが含まれていて、それはオーバードライブを掛けたベースラインという形で、この曲にパンチとフックをもたらす。上記の2曲は、道標のないオルタナの無限の砂漠に迷い込んだリスナーにとってオアシスのような意味を持つ。また、この曲には、わずかにメタリックな香りが漂い、それは80年代後半のグランジロックがヘヴィメタルの後に始まった音楽であることを思い出させる。Mother Love Bone、Green Riverあたりが好きなリスナーにとってはストライクとなるだろう。


グランジサウンドに舵をとったかと思えば、ジョン・ライドン擁するP.I.Lのような70年代後半のニューウェイブサウンドが繰り広げられる場合もある。「Superior Mirage」は、P.I.LやDEVO、Talking Headsが実践したように、テクノサウンドとパンクサウンドの融合というポストパンクの原点に立ち帰っている。問題は、IDLESのような圧倒的な説得力があるわけではなく、サウンドがやや曇りがちになっている。「Would Tight」では、パール・ジャムを思わせるUSロックとグランジの融合に重点を置いているが、この曲もセルフタイトルアルバムのような精細感に乏しい。数時間放置した炭酸の抜けたコーラのような感じで、ちょっとだけ物足りなさを覚えてしまう。

 

ただ、METZのメンバーが新しいカタチの''ポスト・オルト''とも称すべき実験的なサウンドをアルバムで追求していることは注目しておくべきだろう。例えば「Never Still Again」ではギターサウンドの核心にポイントを置き、変則的なチューニングを交えながら、オルタナティヴに新風を吹き込もうと試みる。アルバムのクローズ「Light Your Way Home」ではカナダのミュージックシーンを象徴づけるポストシューゲイズサウンドに挑む。これらはMetzによる、Softcult、Bodywashといったカナダのミュージックシーンの新星に捧げられたさり気ないリスペクトなのかもしれない。




75/100

 

 

「No Reservation/ Loves Comes Crashing」

 



オハイオの伝説的なインディーロックバンド、Guided By Voices(ガイド・バイ・ヴォイセズ)の、特にここ数年の活動については多作という言葉では表現しきれないものがある。バンドは今回、40枚目のアルバムを発表した。意外なことに、2024年にリリースする唯一のアルバムになるという。


GBVの新作アルバム『Strut of Kings』は6月28日にRockathon Records / GBV Inc.からリリースされる。2023年の『Nowhere to Go but Up』、『Welshpool Frillies』、『La La Land』に続く。

 

このアルバムは「Serene King」でプレビューされている。アルバムのトラックリストも公表された。


フロントマン/ボーカリストのロバート・ポラードは、Stereogumに対して次のように説明している。「僕は集中力のないアルバムが好きなんだけど、このアルバムはより集中しているように思える。構成がまとまっているんだ。僕が好きなロックのジャンルのバランスもいい。素敵なパワーポップの曲もあれば、かなりクレイジーな曲もある。ヘビーとライトのバランスもいい」



「Serene King」

 

 

・カレッジロック特集:


College Rock Essencial Guide  オルタナティヴロックを形作るラジオカルチャー カレッジロックとは??  



 

Guided By Voices 『Strut of Kings』


Label: / GBV Inc.

Release: 2024/06/28


Tracklist:


1. Show Me the Castle

2. Dear Onion

3. This Will Go On

4. Fictional Environment Dream

5. Olympus Cock in Radiana

6. Caveman Running Naked

7. Timing Voice

8. Bit of a Crunch

9. Serene King

10. Bicycle Garden


キング・ハンナは、近日発売予定のアルバム『Big Swimmer』の新曲「Davey Says」を発表した。シャロン・ヴァン・エッテン(Sharon Van Etten)をフィーチャーした先にリリースされたタイトル曲に続く。バンドのクレイグ・ウィトルが監督したミュージック・ビデオは以下より。


"Davey Says "は、90年代のアメリカン・インディ・ガレージ・ロックへの頌歌です」とヴォーカルのハンナ・メリックは声明で語っている。

 

「私たちはこの曲を、アルバムの中で騒々しく、ファジーで、軽快な瞬間にしたかった。冒頭の "パーティーの前に会おう、一人で歩きたくない "という歌詞は、90年代のアメリカの古典的なイメージ、青春のノスタルジーとロマンス、未来が目の前に広がっている暖かな夏の夜更けのイメージに対する私たちの試み」


King Hannahによるニューアルバム『Big Swimmer』はCity Slangから5月31日にリリースされる。オルタナティヴロック好きは要チェック。

 


「Davey Says」


 



ジャック・アントノフ率いるBleachers(ブリーチャーズ)が昨夜(4月16日)、ジミー・キンメル・ライブに登場、セルフタイトルのデビューアルバムから「Tiny Moves」を披露した。この曲は先行シングルとしても配信された。先日、ブリーチャーズは、コーチェラ・フェスティバルに出演し、その際にテイラー・スウィフトがスペシャルゲストとしてステージで共演を果たした。

 

ジャック・アントノフは、テイラー・スウィフトの作品のプロデューサーとして知られ、ヒット作請負人とも言える。アントノフは、米国の深夜番組の中で、ジミー・キメルとのインタビューに応じ、コーチェラでのプレイ、プロデュース業、男性との付き合い方などについて語った。


Bleachersのセルフタイトルアルバムは先月、ロンドンのDirty Hitからリリースされたばかりだ。バンドは以前、スティーヴン・コルベア主演のThe Late Showで「Alma Mater」を、Fallonで「Modern Girl」を披露した。ブルーチャーズは今年のサマーソニックで来日公演を行う。

 


 

©Emily Cross


Lomaが3枚目のアルバム『How Will I Live Without A Body?2020年の『Don't Shy Away』に続くこの作品は、Sub Popから6月28日にリリースされる。Lomaはエミリー・クロス、ダン・ドゥジンスキー、ジョナサン・マイバーグによるトリオ。

 

アルバムのファーストシングル「How It Starts」は、エミリーが監督・出演したビデオとともに本日公開された。また、リサ・クラインによるアルバム・ジャケットとトラックリストは以下を参照のこと。


ニュー・アルバムを制作するため、バンドはイギリスの小さな石造りの家で再集結した。「重いコートを着て小さな電気ラジエーターを囲んで座っていると、私たちはお互いにどれだけ会いたかったか、そして一緒にいること自体が貴重なことだと気づいたのです」とマイブルグは回想する。


「”How Will I Live Without A Body?"は、ローリー・アンダーソンに触発され、彼女の作品のトレーニングを受けたAIと仕事をするチャンスを与えられた。マイバーグが2枚の写真を送ると、アンダーソンのAIが2つの詩を返信してきた。私たちはこれらの詩の断片を『How It Starts』と『Affinity』に使用しました」と彼は説明した。

 

「AIのセリフのひとつ、"身体なしでどうやって生きていくのか?"がアルバムの名前にぴったりだと気づいたんだ」

 

 

 「How It Starts」




Loma 『How Will I Live Without A Body?』



Label: Sub Pop

Release: 2024/06/28


Tracklist:


1. Please, Come In

2. Arrhythmia

3. Unbraiding

4. I Swallowed a Stone

5. How It Starts

6. Dark Trio

7. A Steady Mind

8. Pink Sky

 



昨日、NYのシンガーソングライター、Maggie Rogers(マギー・ロジャース)が米国の深夜番組、『The Late Show With Stephen Colbert』に登場し、最新アルバム『Don't Forget Me』の収録曲「The Kill」をステージセットで披露した。ライブパフォーマンスの模様は以下より。


ロジャースのライブステージは、アコースティックギター、シンセ、ベース、エレクトリックギター、ドラムに加え、パーカションが参加した。曲の魅力が伝わりやすいライブとなっている。


マギー・ロジャースの3枚目のアルバム『Don't Forget Me』はポリドールから先週発売された。リリースに先駆けて、シンガーソングライターはタイトル曲「So Sick of Dreaming」でプレビューを行った。

 


「The Kill」


LAのシンガーソングライター、Hana Vu(ハナ・ヴー)は、次作『Romanticism』からの新曲「22」を発表した。「Care」「Hammer」に続く新曲です。以下よりチェックしてみてください。


「若いということは、初めて経験することがたくさんある。でも、いろいろなことを経験するにつれて、そういうことに鈍感になってしまう」

 

「私はかなり賢くなっていると感じている。けれど、決して熱狂的で希望に満ちているわけではない。『22』は、悲しみや思い出、そして、22歳であることに麻痺していたことを歌っています。でも、今、私は23歳で、この曲をみんなに披露する頃には、たぶん24歳になっているはず」


Hana Vuによる新作アルバム『Romanticism』は、Ghostly Internationalから5月3日にリリースされる。

 


「22」

 


バンドの復活の次のプロジェクトとして、Blink-182のトム・デロンゲはエレクトリック・ギターと心を広げるという2つの情熱を組み合わせ、フェンダー社との新しいシグネチャーモデルをギターマニアに提供する。


ブリンク182の創設メンバーで、U.F.O.の研究者でもあるデロンゲは、セイモア・ダンカンSH-5ピックアップを搭載したオフセットのセミホロウ・ギター、''トム・デロンゲ・スターキャスター''を発表した。


トム・デロンゲは製品開発にあたって、1970年代にリリースされたスターキャスターにいくつかの変更を加え、ブリンク182の2023年発表の9枚目のスタジオ・アルバム『ワン・モア・タイム』を引っ提げた世界ツアーで、この新作ギターのロードテストを行った。結果はバッチリだったようだ。


「このギターが大好きだよ。最高にクールなギター。まず、スターキャスターという名前、これが一番重要なこと。宇宙に行って、心を広げてくれるのさ」とデロンゲは声明の中でコメントしている。


「エレクトロニクスをスリム化し、70年代のヘッドストックを追加して重量を丸くし、マット・フィニッシュとブラックのハードウェアを選んだ。このギターは、プレイヤーとしての僕の進化を示すと同時に、僕がどこから来て、何を目指しているのかという特徴も持っているんだよ」


トム・デロンゲのスターキャスターは4色のラインナップが用意されている。価格は1,199.99米ドルとのこと。


このクールな新しいギターの全貌とデモは、以下のフェンダー社の公式ビデオでご覧ください。


 

©Daisuke Murakami

 

日本人シンガーソングライター/クリエイター、Ai Kahiharaが二部作の第一弾となるEP『IN』のリリースを発表した。このEPは5月17日にGeabox Recordsから発売され、全世界で配信予定。

 

この発表と同時に、4月20日(土)、24日(水)、及び、『IN』のリリース記念パーティー、5月26日(日)のライブスケジュールの詳細が発表された。アーティストは続いて、6月9日に”Wax Works”にも出演する予定だ。イベントの詳細についても下記よりご覧下さい。

 

 Ai Kakihiraのサウンドは、チル・ウェイヴ、ディスコ、ソウル、テクノ、グローバル・ミュージック、ドリーム・ポップなどの要素を巧みに取り入れたユニークなサイケデリック・ブレンド。

 

彼女が生み出す繊細なヴォーカルとメロディは、濃密でありながら複雑でダイナミックなアレ
ンジに満ちている。

 

「私は音楽制作において、古いものと新しいもの、自然と人為など、異質性が高い要素や対照的なものを混ぜ合わせ、なおかつポップに鳴らすことをとても大事にしています。その過程で感じる魔法のような感覚は、私を常に新たなる音楽の探求へと駆り立て、未来の音楽シーンに向けて前進する原動力となっています。新しい日本の響きを楽しんでいただけたら何よりです」と本人は話す。
 

 

日本から多くの先駆的なアーティストが世界へと羽ばたいている昨今、Ai Kakihiraが多くのジャンルや境界を越えざるを得ないのも不思議ではない。

 

今作『IN』では、彼女がリスナーを魅了し続ける一方で、自身のサウンドをシュールで独特なテンションで新たな音楽領域へと導いている。なお、『IN』は5月17日にデジタル・リリースされ、今年後半(秋頃)にはセカンド・デジタルEPのリリースも予定されている。こちらも乞うご期待。

 

EPの収録曲「懲りずに信じていいですか」のオーディオ・ビデオが公開されている。下記よりチェックしてみよう。

 

 

 

アーティスト名: Ai Kakihira(カキヒラ・アイ) 

タイトル名: IN(イン)


配信開始日: 2024年5月17日(金) 



レーベル: Gearbox Records

 



<トラックリスト> 

1. INTRO 

2.懲りずに信じていいですか
 

3.ご自愛ください 

4.キテレツ 

5.エンジョイサマー 

 

配信リンク: https://bfan.link/in 



ライブ情報:

 

・2024年4月20日(土) 


~7th floor anniversary party~ 


Open/Start 18:00 at 渋谷7thFLOOR 


ACT:


HUGEN


Ai Kakihira


Saboten

Neon House

mizunotabibito 


TICKET
¥2000+1D 

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・2024年4月24日(水) 

 
~名月や~ 

 
Open 18:40 / Start 19:00 at 下北沢LIVE HAUS 

 

ACT:

Living Rita 

Ai Kakihira 

Wuinguin 


TICKET
Adv ¥2400+1D / Door ¥2900+1D Student ¥1900+1D 

 

イベントの詳細: https://shorturl.at/gvAO8

 

・2024年5月26日(日)


~Ai Kakihira “IN”release party~ 

 
Open/Start 18:00 at 渋谷7th FLOOR 


Live


・Ai Kakihira
・yobai suspects 

・Low fu(DJ set) 


DJ 

カルロスまーちゃん
FOOD
チキン野郎
Adv ¥2900+1D / Door ¥3400+1D 

 

イベントの詳細: https://tiget.net/events/308526 

 

 

 
※イベント当日、受付にてチケットを提示して 料金をお支払いください 

 

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2024年6月9日(日) ~WAX WORKS~ 

 
at 京都Ace Hotel

 

詳細: TBC

 


Ai Kakihara:


Ai Kakihira。長崎県出身、東京在住の音楽家。ハウスやテクノ、民族音楽、チル・ウェイヴ、ディ スコ、ソウル、ドリーム・ポップなどの要素を巧みに取り入れたサイケデリックな独自のサウンド、 日本語の響きを生かしたメロディと繊細な歌声は耳に残りやすく、豊かな音のレイヤーと緻密な 編曲によって、幻想的な世界へと誘う。プロデューサーやリミキサーとしても活動しており、他の アーティストのサポートやドキュメンタリー、広告などの映像作品にも音楽を提供している。 2024年5月、UKのギアボックス・レコーズから初となるEP『IN』をリリース。

 

©Pooneh Ghana

Cassandra Jenkins(カサンドラ・ジェンキンス)はデッド・オーシャンズと契約を結んだと発表。同時に、7月12日にニューアルバム『My Light, My Destroyer』をリリースすると発表した。

 

2021年にリリースされた『An Overview on Phenomenal Nature』に続く本作は、リディア・ファインとトニー・ブラッドが監督を務めた新曲「Only One」が収録。以下よりチェックしてほしい。


「この曲は、グラウンドホッグ・デイ効果、何度も何度も同じ状況に置かれて、そのループから抜け出す方法がよくわからないこと。そしてある意味、状況に目を奪われてサイクルを断ち切ろることが出来ないことに関して歌っている」とジェンキンスは声明で語っている。冒頭の "seasick dawn "は、彼女の友人であるクリスティン・アンドレアセンにインスパイアされた曲で、"眠れない夜が続く中、乾いた目で、新しい日を迎えるときの気持ち悪さ"を表現しているという。


前作『An Overview on Phenomenal Nature』の2年間に及ぶツアーを終えたジェンキンスは、すぐさま次作の録音に取り掛かった。

 

次の作品のレコーディングに関して、ジェンキンスはこう説明する。「私は燃え尽きて枯渇しているところから来ていて、セッションの後の数ヶ月は、作ったばかりのレコードが好きではないことを受け入れるのに苦労した。インスピレーションがないように感じたので、やり直した」

 

『マイ・ライト、マイ・デストロイヤー』のプロデューサー、アンドリュー・ラッピンと協力して、彼女は『マイ・ライト、マイ・デストロイヤー』の再構築を始めた。「最初の日にコントロール・ルームで音源を聴き直したとき、レコード棚のスペースが開き始めたのがわかった。その火花が残りのアルバムの青写真になり、その完成は新たな勢いに後押しされたんだ」


アルバムには、複数のコラボレーターが参加している。ポリバイナルに所属するシンガーソングライター、PalehoundのEl Kempner、Hand HabitsのMeg Duffy、元Strange RangerのIsaac Eiger、Katie Von Schleicher、Zoë Brecher(Hushpuppy)、Daniel McDowell(Amen Dunes)、プロデューサー兼楽器奏者のJosh Kaufman(ジョシュ・カウフマン)が参加。

 

プロデューサーのステファニー・マルツィアーノ(ヘイリー・ウィリアムス、バーティーズ・ストレンジ)、そして、ジェンキンズの友人で映画監督/俳優/ジャーナリストのヘイリー・ベントン・ゲイツ(アン・オーバービューの「Hailey」にインスピレーションを与え、冗談でニュー・アルバムのエンディング・トラックのタイトル「Hayley」を提案したこともあった)


「畏敬の念は、私たちがつながりを失わないようにする自然の機能です」とジェンキンスは話している。

 

「畏敬の念、その光に触れ続けることは、恐怖、そして恐怖で我々をコントロールしようとする力に対する最高の解毒剤。その意味で、畏敬の念に触れ続けることは、自分の光を無傷に保つことであり、自分自身や自分を取り巻く世界の、危害をもたらす可能性のある部分を破壊し、解体するための最大の手段。正直なところ、これが私を辞めさせない理由であり、一歩立ち止まって、この地球上にあるすべての混沌と美の時間に感謝することを思い出させてくれる。

 

 

「Only One」




Cassandra Jenkins 『My Light, My Destroyer』


Label: Dead Oceans

Release: 2023/07/12

 

Tracklist:


1.Devotion

2.Clams Casino

3.Delphinium Blue

4.Shatner’s Theme

5.Aurora, IL

6.Betelgeuse

7.Omakase

8.Music??

9.Petco

10.Attente Téléphonique

11.Tape and Tissue

12.Only One

13.Hayley



テイラー・スウィフトのニューアルバム『The Tortured Poets Department』が間もなくリリースされることを予告する謎めいた壁画がシカゴに出現した。


4月15日(月)、ペインターのグループがまだ壁画に取り組んでいるところで、リバーノース地区の建物の側面に白黒の作品を刷毛で描いている。

 

この壁画を撮影したファンの写真を見ると、大きなQRコードが部分的に薄くなった線で囲まれていたという。よく見ると、それぞれスウィフトのラッキーナンバーである "13 "と新譜の頭文字である "TTPD "が繰り返されているように見える。一体、何が起こったのか??




そして、このQRコードを携帯電話ですると、視聴者はスウィフトの公式YouTubeページの未登録のShortにたどり着く。それから、再生を押すと、タイプライターで一文字ずつ綴ったような「Error 321」という謎めいたメッセージが画面に表示された。

 

今週末(4月19日)にリリースされる『The Tortured Poets Department』は、音楽業界を蘇らせた『Midnights』に続く作品である。


歴代最高の商業的な成功を収めたワールドツアー、The Eras Tourと併行してレコーディングされた16曲のメイン・トラック(そのうちの2曲はポスト・マローンやフローレンス+ザ・マシーンとのコラボレーション)と、4曲のボーナス・トラックが収録され、様々なデラックス・エディションのアルバムに散りばめられている。  


テイラー・スウィフトがこのプロジェクトを最初に発表したのは、2024年のグラミー賞のセレモニーの最中で、アーティストは『ミッドナイツ』の最優秀ポップ・ヴォーカル賞を受賞した瞬間だ。その直前には彼女のウェブサイトに同様の「エラー321」のメッセージが表示されていた。

 

この新しい壁画は、ミュージシャンと彼女のチームが『Tortured Poets』の到着に向けてファンを興奮させた最新の方法に過ぎない。

 

スウィフトはまた、アップル・ミュージックの旧曲の歌詞にこのアルバムに関する一言のヒントを隠し、同プラットフォームで5つの「Stages of Heartbreak」プレイリストを公開した。またこのアルバムには隠されたメッセージが含まれているとのこと。


シカゴの『Tortured Poets』の壁画と、そのQRコードからリンクされたビデオは以下を参照のこと。

 


 

Disney+は、ザ・ビートルズを描いたオリジナル映画『Let It Be』を独占配信することを発表した。5月8日から配信予定。


1970年5月、マイケル・リンゼイ=ホッグ監督によって初めて公開され、ビートルズ解散の渦中にあった『レット・イット・ビー』は、今やバンドの歴史において重要な位置を占めている。


『レット・イット・ビー』には、『ゲット・バック』では紹介されなかった映像が収録されており、1969年1月、ビリー・プレストンが加わったザ・ビートルズがグラミー賞を受賞したアルバム『レット・イット・ビー』の作曲とレコーディングを行うスタジオやアップル・コープスのロンドンの屋上に視聴者を誘う。


マイケル・リンゼイ=ホッグは、この映像に関して述べている。「『レット・イット・ビー』は1969年10月から11月にかけて準備が整っていたが、発売されたのは1970年4月だった。発売の1ヵ月前、ビートルズは正式に解散した。だから、人々は『レット・イット・ビー』を観に行ったんだ」


「『もう二度とビートルズの共演は観られない。もう二度とあの喜びを味わうことはできないのだ』と思い、この映画の印象を非常に暗くした。しかし、実際、これほどの大物アーティストたちが、頭で聞いたことを曲にするために協力し合う姿を見る機会はそうそうないだろう」


「そして屋上で、グループとして再び一緒に演奏する彼らの興奮(注: ルーフトップ・コンサートのこと。正真正銘のビートルズのラストライブ。アップル・コア本社の屋上で行われた40分の演奏)、仲間意識、純粋な喜びを目の当たりにし、それが最後であったことを知る。私が50年前に撮影したすべての映像を使って、ピーターが『Get Back』でできたことに私は打ちのめされた」


「マイケルの映画『レット・イット・ビー』が修復され、何十年もの間入手不可能だったものがついに再公開されることになり、本当に感激している」と、『ゲット・バック』の監督兼修復者であるピーター・ジャクソンは語る。

 

「『ゲット・バック』のためにマイケルのNG集を入手できたのは本当に幸運だったし、『ゲット・バック』の物語を完結させるためには『レット・イット・ビー』が必要だとずっと思っていた。


3部構成で、マイケルとビートルズが画期的な新しいドキュメンタリーを撮影しているところを見せたが、「レット・イット・ビー」はそのドキュメンタリー、つまり1970年に公開された映画だ。私は今、50年の時を経てようやく完成した、ひとつの壮大な物語だと考えている。


『レット・イット・ビー』は『ゲット・バック』のクライマックスであり、『ゲット・バック』は『レット・イット・ビー』に欠けていた重要な文脈を提供する。マイケル・リンゼイ=ホッグは、私が『ゲット・バック』を制作している間、たゆまぬ協力と寛大な心で見守ってくれた。

©Anna Isola Crolla


スコットランドを代表するインディーポップバンド、Belle And Sebastian(ベル・アンド・セバスチャン)は今なお変わらぬ多作ぶりをみせている。昨年、2023年のカムバック・アルバム『A Bit Of Previous』の関連作『Late Developers』をリリースした。

 

今日、インディー・ポップ・バンドは、『Late Developers』からカットされた「What Happened To You Son?」をリリースした。


「What Happened To You Son 」は、1曲長すぎると感じたので、前回のLPから恣意的に抜いたんだ。とリード・ヴォーカルのスチュアート・マードックは声明で述べた。彼はこう続けた。

 

「この曲は私の青春時代、そして、10代後半に陥ったおかしな陥穽について歌っている。私は大学の授業に失敗し、その頃挑戦したことのほとんど全てに失敗していた。当時の音楽に夢中で、80年代のあるバンドの歌詞やメッセージ、フィーリングに依存していた」

 

「だから、この曲のテーマは少し非難的ではあるけれど、悪いのは見る人だ。私はいつでもスイッチを切ることができた。その代わりに、私は歌手たちを私のペンフレンド、そして私の神としたんだよ」

 

「What Happened To You Son」は、美しいベース・ソロが印象的なジャングル・ポップ大作。

 

この曲のリリースは、彼らの今後の北米ツアーと、カメラ・オブスキュラやヴァセリンズなども出演する2日間のコンサート・シリーズ「The Glasgow Weekender - ザ・グラスゴー・ウィークエンダー」のプロモーションも兼ねている。一方、スチュアート・マードックは今秋、デビュー作『Nobody's Empire』を発表する予定。


 


ウェイズ・ブラッド(別名: ナタリー・メリング)は、2019年4月5日にサブ・ポップから発売された『Titanic Rising』の5周年を記念して、「Andromeda」のビデオを公開した。SFテイストのミュージックビデオで、メリングがカルフォルニアの大地から宇宙へと旅立つという内容。

 

このアルバムはナタリー・メリングの出世作であり、三部作の第一作に位置づけられる。その後、アーティストは2022年、二作目の『And In The Darkness,Hearts Glow』を発表した。以後、フジロックで来日公演を行い、苗場ではニューヨークのシンガー、キャロライン・ポラチェックと交流していた。今年に入り、両者はコラボレーションを行い、「Butterfly Net」をリリースした。


ミュージックビデオは2018年に部分的に撮影され、今年に入って完成した。ナタリー・メリングはアンバー・ナヴァロ、コルトン・ストックと共同でビデオ監督を務めた。以下よりご覧ください。



 


アイルランドのインディー・ロック・バンド、Pillow Queensが最新曲「Heavy Pour」を公開した。今週末に発売される次作アルバム『Name Your Sorrow』の最終プレビュー。発売日を前に是非チェックしてもらいたい。

 

彼らの作品はアイリッシュ・タイムズから称賛され、交差するクイアネスとツインボーカルによって唯一無二の音楽観を提示する。

 

この新曲は、彼らのユニークな個性の探求に加え、モノトーンのゴシック・テイストがテーマに縁取られている。リード・ギター&ヴォーカルのキャシー・マクギネスは次のように語っている。

 

「ちょっと奇妙な旅のような、あるいは熱病の夢のような感じ。ギターは中盤の8番で聴きやすくなり、それまでの不協和音の混沌とした部分とはまったく対照的だ。そして、楽器をサポートする "oohs "とともに輝かしいハーフ・タイムに入り、コーラスに戻る前に明瞭さと決意を感じさせる」


リード・ヴォーカル、ギタリスト、ベーシストのパメラ・コネリーは補足する。「この曲のセリフの多くは、ラブソングの典型的な甘さを伝えることができる。この曲は、喜びの瞬間がある一方で、最終的には個人的な不安を増大させる強迫観念としての "重い水 "を示そうとしている」


バンドはまた、"I want more, but I'm not man enough. "というセリフでジェンダーや一般的な誤解に触れている。ヴォーカル、ギタリスト、ベーシストのサラ・コーコランは、このセリフに関する話が、ジェンダー、特に男らしさと勇敢さを同一視する傾向についての会話を呼び起こしたと述べている。

 

「このダイナミックな動きに興味を惹かれた私たちは、性別の表現がその人が感じる勇気のレベルに影響されるという考えを掘り下げ、解剖したいと思った。そんなことはない。すべての性別が勇気を持つことができる」


ケイト・ドランが監督したこの曲のビデオは、『カリガリ博士の内閣』(ロベルト・ヴィーネ監督のドイツ映画)、『ファウスト』、『ノスフェラトゥ』(双方ともにF・W・ムルナウによるドイツ映画)等、古い無声映画にインスパイアされている。

 

ビデオのアイデアは、この曲を聴いてすぐにドランに浮かんだ。ドランは言う。「この曲は呪われたような感じがして、ビデオはスタイリッシュなものにする必要があると感じたんだ」

 

「ミュージックビデオは、長い間見ることのなかった無声映画、どこかの屋根裏部屋に埋もれている幽霊の出るような作品というアイデアを思いついた。そして、バンドが演奏すると、呪われたフィルムは浄化され、燃え尽きる。バンドはいつも楽しむことに夢中だから、撮影はとても楽しかったし、セットではたくさん遊んだよ」

 


「Heavy Pour」