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日経COMEMO

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日経COMEMOは、様々な分野から厳選した新しい時代のリーダーたちが、社会に思うこと、専門領域の知見などを投稿するサービスです。 【noteで投稿されている方へ】 #COMEM … もっと読む
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日経COMEMOはじめての方へ

はじめまして、日経COMEMO(コメモ)運営チームです。 私たちは、日本経済新聞社がnote上で運営している投稿マガジン【日経COMEMO】の運営チームです。現在のメンバーは6名。日経の中で、新規事業にチャレンジする部門として、日々、試行錯誤を繰り返しながら活動しています。 ◇ ◇ ◇ まずは、日経COMEMOについて簡単に自己紹介させてください。 日経COMEMOは、様々な分野から厳選した新しい時代のビジネスリーダーたちから、毎月約200本

なぜ注射薬を、飲み薬にする必要があるのか

日本の製薬企業アステラス製薬が、アメリカのバイオスタートアップのビブテックスと共同研究契約を結んだことが報じられています。 人工知能(AI)などを使って、注射薬を飲み薬にする技術を開発することを目指しています。 薬に含まれる有効成分を、体の中にしっかり届けようとするならば、注射や点滴が確実です。注射によって血管内に薬を届ければ、血流にのって全身に届けてくれます。 いっぽうで飲み薬は、確実ではありません。口から飲んだ薬は、胃で強い酸や、タンパク質分解酵素による影響を受けて

日本経済「躁(そう)の40年」「鬱(うつ)の30年」その次は?

今年に入り、国内の経済界には明るいニュースが目立つ。日経平均株価はバブル超えを記録し、賃上げと緩やかな物価上昇の好サイクルが認められ、日銀のマイナス金利解除により「金利のある世界」が戻ろうとしている。 巨視的にみると、戦後40余年続いた高度成長期を「躁の時代」、その後30余年の停滞期を「鬱の時代」とするとき、今はその次の時代へ向かう序章と位置付けられる。 戦後から米ソ冷戦にかけては、日本は輸出の伸びが目覚ましく、軍事力よりも民間の活力にお金を回せたラッキーな時代だった。戦

夫が育休をとれば出生率はあがるのか?

「〇〇すれば出生率はあがる」という論説を振りまく有識者とされている連中が多いのだが、それらはほぼ嘘である。 「夫が育休をとれば出生率はあがる」もそうなのだが、検証してみたい。 積水ハウスが公開している「男性育休白書2022」なるものがある。 これは、男性の家事育児力を以下の指標に基づいて都道府県別にランキングしたものだそうだ。 1.女性の評価 男性が行っている 家事・育児の数と、男性が子育てを楽しみ、家事や育児に積極的に関与すると思うかどうかを4段階で評価したもの

若手の早期離職、企業が取るべき3つの対策

新入社員4割が転職検討 引き留めに企業が対策 株式会社Another works代表 / 日経COMEMO KOLの大林です。複業したい個人と企業・自治体を繋ぐ総合型複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営しています。 日経電子版でも連日取り上げられている若手の早期離職。深刻な人手不足が続く中、これからの戦力となる新卒や入社数年の若手社員の離職は企業にとっても大きな痛手となるため、人材確保だけでなく定着が大きな課題となっています。日経が紹介している調査データで

金利上昇で財政悪化の誤解

3月税収5.7%増の3.6兆円 所得税や消費税がけん引 - 日本経済新聞 (nikkei.com) 長期金利上昇で利払い費が増えることを理由に、財政悪化を懸念する向きがあります。ただ、長期金利の上昇がインフレ率の上昇や名目経済成長率の上昇に基づくものであれば、一方で税収も増えるため、必ずしも長期金利の上昇が財政悪化に直結するとは限りません。 事実、日本の代表的な財政指標であるプライマリーバランス/GDP比(以下、PB/GDP)と長期金利の関係を見ると、むしろ長期金利が上が

円安抑止の処方箋その②~レパトリ減税案~

前回のnoteに引き続き、今回も円安抑止の処方箋シリーズを議論したいと思います。本noteでは構造的且つ長期的なお話を議論したいので日銀の利上げ有無や為替介入と言った即興的な論点はさておき、もっとありふれていない論点を議論したいと思います。この点、前回は対内直接投資戦略について国・業種別にどのように考えたら良いのかを取り扱いました。色々なご意見を賜り、個人的にもとても勉強になりました: https://comemo.nikkei.com/n/ne045cff216dd 今

本当にこんなんでええんか?ーこんな少子化対策はどうやろか?(下)

「こども年金」制度が、少子化の流れを反転させる私のファイナルアンサー。親が仕事をしていようがしていまいが、結婚していようがしていまいかにかかわらず、子どもが生まれた世帯に1人目で10万円、2人目で15万円、3人目で20万円の年金支給とする。「こども年金」は給付ではなく、自らの65歳になってから支給される年金の前倒しである 老後のために支給される年金を、経済的に必要なライフステージで移す「こども年金」は、社会的に効果がある少子化対策となる制度だと思うが、国で議論されたことはあ

経営人材を育成する上で、知識や経験をインプットする以上に大事なこと。

皆さん、こんにちは。今回は「経営人材育成」について書かせていただきます。 経営人材をどのように育てていくかは、各社共通の経営課題だと思います。現経営陣に、知識や経験、ナレッジ、実績、信頼、あらゆるステークホルダーからの評価、経営に必要な勘や感性などが蓄積されればされるほど、それを受け継いで同じように(またはそれ以上に)経営をすることの難易度が上がっていきます。 中には、社内で育成することはやめて(諦めて)、社外の優秀な経営人材を獲得することに集中したり、外部の会社に社内の

スマホは、本当に私たちの消費活動に変化を与えた。私達マーケターは?

デジタル社会の消費者像シリーズは、マーケティング担当者の頭の整理に良い日本経済新聞の「やさしい経済学」の「デジタル社会の消費者像」は、コンパクトに、デジタル登場後の消費者の行動・活動の変化を整理・理解できる良いコラムです。 その中に、「デジタル社会の消費者像(4) スマホがもたらした変化」があり、その文章を読んで、確かに私たちの消費活動は、スマホで大きく変わったことを再確認しました。 このコラムの中では、消費者のスマホとSNSの関係を中心に整理されていますが、それ以外に

「『ありがとう』を深掘りする」だけで コミュニケーションが変わる!

10年以上オフィスを持たずフルリモートワークで仕事をしてきたナラティブベースのノウハウをまとめたパターン・ランゲージ『自律的・主体的なコミュニケーション・パターン』から、すぐに実践に移せるコミュニケーションのコツをピックアップしてご紹介していきます! 【コツ5】 「ありがとう」を深掘りする 5つのコツ最終回は、テキストコミュニケーションだからこそのモチベーションアップのコツをお伝えします。 リモートコミュニケーションの中で、相手になんらかの感謝を伝えるシーンで「ありがとう

正解のないラグジュアリー探求のプロセスに意味がある・・そして面白さがある。

日経新聞電子版の次の2つの記事を読むと、これまで画一的で固定的に捉えられていたラグジュアリーとは異なるラグジュアリーのありようを目指す動きがあるのが分かります。 日本でも動き出してきたな、と思いました。 かといって、以下の記事にあるような、一部のラグジュアリーのビジネス動向にやや影がでてきたことをもって、新しいタイプのラグジュアリーの勢いがでてくるとの論調は先走っている感もあります。というのも、「クワイエット・ラグジュアリー(静かなぜいたく)」というトレンドを取り入れれば

アップルと教育

多くの人に知って欲しいアップルの取り組み 私は都内の私立中・高で英語科の教員として生徒たちの指導をするかたわら、Apple Distinguished Educator(以下、ADE)として、日々進化を続けるテクノロジーと教育の関わりについて研究を続けています。 ADEとは、iPadやMacなどアップルの製品を活用して素晴らしい(革新的な)教育実践を行っている教育者のこと。 アップルからADEに認定されると、世界中の教育者の集まりであるADEコミュニティの一員として仲間に

ジョブホップする第二新卒と、その行く末

スカウト媒体、人材紹介からの提案、そしてキャリア相談でここのところ多く見られるのが「社会人経験年数より在籍社数の方が多い」という第二新卒の方々です。 心ない情報商材、人材業界に翻弄されているケースが多く、由々しき問題だと感じています。今回は「ジョブホップする第二新卒」と題してこの問題を整理していきます。五月病で退職を考えている新卒の皆さんにも参考になれば幸いです。 世間的な第二新卒の定義は景気に応じて変化する厚生労働省としては2010年11月より「3年以内既卒者は新卒枠で